「ブラックブック」

 このまちとしては珍しい晴天がつづきます。
本日は、あちこちの小学校で運動会がありました。となり町の
いなか祭りというのがこの週末にありまして、このまつりは
お天気がよろしいというジンクスがあるので、わざわざこの
まつりにあわせて運動会をする学校があるくらいです。
 小生のところは、運動会にはまったく縁がないので、午前から
映画をみにいったのでした。
 それが「ブラックブック」という作品であります。

 この作品は「氷の微笑」などを監督した人のものですが、
シャロン・ストーンのセクシーさをこれでもかというぐらいに
表現したということを記憶しています。(なにやらサスペンスで
あったような、ストーンが殺人を犯したのかどうかがテーマで
したかね。)
 この監督が母国のオランダに戻って、オランダの映画史上最高の
予算をかけて製作したのが、この「ブラックブック」でした。
 イスラエルキブツで主人公が回想するシーンから始まって
2時間半でありますが、トイレの近い人はちょっと不安になる長さ
なれど、あっという間に終わりをむかえます。
 舞台は1941年のオランダハーグです。ここがドイツに占領されて
いて、この地のレジスタンスとユダヤ人とドイツ軍というのが登場
人物です。
 主人公はユダヤ人の女性で、もと歌手という設定になります。
あちこちのページで紹介されていますでしょうから、作品のあらすじは
それをご覧くさい。

 エロス(主人公の女性はユダヤ人とレジスタンスを救うためドイツ軍
将校に色仕掛けをする。)、
 グロテスク(とにかく殺人シーンが多い)、そしてサスペンス
レジスタンスとドイツ軍のだましあいはいかに)と3拍子がそろって
おりまして、第二次大戦下のオランダの事情がすこしはわかるように
なっていて勉強になるのでした。オランダというとアンネフランクが
隠れていたのもそうでありました。
 なかなか見事なのは、その時代の軍用機だとか自動車をそれらしく
みせていることで、このあたりに予算がつかわれているのでしょう。
 印象に残るのは、ダブルスパということに関してであります。
ユダヤ人でありながら、ドイツ軍に通じて、しかもレジスタンスに情報を
ながすということですから、ずいぶんと危険なことです。作品のなかで、
同じく占領軍であるドイツのために働いている女性との会話で「マタハリ」の
ようだというくだりがあります。マタハリガルボは殺されるのというのです。
 オランダ占領になったときにドイツ軍に協力した人々がオランダ解放後に、
ひどい仕打ちをうけることも含めてなんともフェアに思えるのでした。
 日本の戦時中を取り上げた映画を見ますと、なんとなく緊張感が違うような
気分になってしらけるのでありますが、事情のまったく異なるオランダの
ことでありますから、ほとんどこの作品はリアルではないかと思ってしまいます。
 この作品は、オランダ語とドイツ語と英語の会話がとびかいます。
聞き慣れないオランダ語というのもよろしです。ハリウッド映画は、舞台が
どこであれ英語で作品化してしまうのがいけません。先日に予告編でみた
「パフューム」とかいう作品は、フランスが舞台なのに、英語でありましたので、
こんなは絶対にみないぞと思いましたです。
 さて、本日の作品は、午前1時からの一回興業で、お客は5人(全部で
40席のシアター)でした。6月22日(金)が最終日です。普通の働き人は
仕事を休まなくてはみることができませんが、オランダ映画とはどんなもん
かいなと思った人にはおすすめでありました。
 次に見に行く映画は、たぶん「黄色い涙」でありましょう。
このブログに、これのテレビ版のことを書きまして、出演の保倉幸恵(ほくらと
しなくては言葉はでてこないのに、やすくらさんだそうです。)さんに
ついてをふれましたら、なんとコメントをいただくことになったのでした。
今回の作品もテレビと同じくで脚本は市川森一です。出演は嵐ですが、
二宮和也の演技をみることにいたしましょう。
 保倉さんが演じた役をするのは、たぶん香椎由衣でしょうよ。
 この作品もみることがありましたら、また報告をすることにたしましょう。