編集工房ノア「海鳴り」

 あちこちの読書系のブログに編集工房ノア「海鳴り19号」の
ことが取り上げられています。不定期刊行となっていますので、
こうしたブログで情報を得てから、ノアにはがきを送りまして
「海鳴り」を送っていただくのでした。
 今回もはがきを送らなくてはと思っておりましたところ、
先んじて編集工房ノアから送っていただきました。ありがたき
かなです。
 19号は巻頭は山田稔さんの文章が飾っているのは、あちこちで
取り上げられているとおりですが、もうひとつの楽しみとするのは、
一番最後におかれている涸沢さんの文章を読むことです。
 今回の話題は、誤って顔面をコンクリートに叩きつけて、顔を
血だらけにしたことと、梓会出版文化賞特別賞を受賞したことで
あります。

「梓会出版賞は、私にとって念願の賞であった。出版の賞は、
ほとんどが出版物の著者に与えられるもので、出版社がその業績で
表彰されるのはこの賞だけである。それも出版社の集まりである
梓会が設けた、出版社が出版社に与える賞なのだ。」

 この受賞式で涸沢さんは、次のようなあいさつをしております。
編集工房ノアは二人で、それも夫婦であります。それで今日、
二人で出席をさせていただいたわけですが、二人で一緒に東京に
きますのは、36年ぶりです。今日、二人でくることができました
のは、この賞のおかげで、大変ありがたく喜んでおります。」

 ノアは、小生がひいきにする版元でありますから、できるだけ
華やかな光があたってほしいと思うのですが、とにかく活動が
地道で地味でありますから、間違ってもベストセラーを出すなんて
ことは考えられないのです。逆に、千部くらいの書籍を30年も
かかって売り尽くすような商売をしています。しかし、ノアが
なかりせば、小生は「天野忠」さんの詩集を手にすることも
なかったでありましょう。
 いまどきまったく稀有な存在でありますが、これからも応援を
していかなくてはと思うのでした。