祝 重版出来(千夜千冊)

 本日の朝刊をみていましたら松岡正剛「千夜千冊」が重版したと
ありました。最近の出版物としては、別格のような大型企画であり
ますが、よくぞ重版までもっていったと、出版に踏み切った求龍堂
英断に拍手をおくるのでありました。
 これまでのところ、このセットは本屋のガラスケースに鎮座している
のを一度拝顔したのみで、手にとってはいませんが、枕にしたらちょうど
いいような厚みがありました。値段も分売せずに10万円でおつりが
すこしですから、どのような人が購入したのでしょう。
 このような本を出版して、重版にもっていくのが松岡正剛さんの
世界でありまして、小生のようなマイナーな作家のものが好きな
人には、思わずひいてしまいそうなのであります。
 本の世界にも、自分と肌合いのあうものと、そうではないものが
ありまして、松岡さんの世界は、どうしてか肌のあわない世界であり
ました。これまでも千夜千冊のページのことは知っておりましたが、
ほとんどのぞくこともなしで、今にいたっています。なんか、あまりにも
立派すぎる印象が、松岡さんにはあるのでしょう。
 むかしに関係していた雑誌「遊」でもブックリストなどを特集して
いたのですが、不思議にこのリストを見ても、本屋にでむく気になり
ませんでした。優等生にすぎるのでしょう、きっと。
 それでも、このように本格的な世界に向き合って、咀嚼しようと
試みる強い人たちが、存在することを知って驚くのでした。