福島紀幸さんによる「ぼくの伯父さん 長谷川四郎物語」を読んでおりました。
読んでも読んでも読みつくすことができない長谷川四郎さんについての本で
あります。なんとか最後までページをすすめることができたのですが、これは
長谷川四郎さんの文学世界への新しい一歩を踏み出すことを意味します。
この福島さんの本を参考にしながら、四郎さんの作品を読んでみなくてはです。
当方が四郎さんの作品を読むようになったのは、1970年の初め頃のことで、
本を集めるようになったのは、73年に刊行となった「知恵の悲しみ」以降であ
あります。
当方は22歳で、四郎さんは64歳となります。それから45年も経過して、
当時の四郎さんの年齢を超えてしまったのですが、この時期の四郎さんの
生み出す作品の若々しいことであります。
ちょうど復刊なった「ユリイカ」に連載するようになって、ここを舞台に印象に
残る作品が生まれました。それが「ぼくの伯父さん」であります。これがすごく
斬新なのでありますが、当時はわけのわからん小説(小説といえば、筋を追っ
て読むものと思っていたのですね。)と感じていました。
やっと四郎さんに時代は追いついてきたのでありましょう。