時間がかかりそう

 今年はほんとうに台風が多いことで、なんか毎週のように襲来しているように感じ
ることです。8月の終わりには、関西からの客人があったのですが、その時にも関西
は台風で、当初予約していた便は欠航となり、別便にのりかえてたどりつき、ことな
きをえました。
 それにしても、今回の台風21号には驚きました。特に当方が関西へといく時の
関空の状況にはびっくりです。完全な回復まではかなりの時間がかかるだろうという
ことですが、来月に予定している関西訪問までには普段に戻るでしょうか。
 時間がかかりそうといえば、はてなダイアリーからはてなブログへの移行でありま
すね。はてなダイアリーが来年春には運用中止になるということで、はてなブログ
の移行をおためししているのですが、はてなブログにダイアリーの記事等を
インポートするのに、えらく時間がかかっています。まあ、来年の春までに終われば
いいのでありますが、インポートにはいってから24時間たっても完了しないとき
は、お問い合わせをしてくださいとあって、まるで終わらないので、昨日に問い合わ
せをしてみました。
 とにかく、ダイアリーのユーザーが雪崩をうってブログへと移行作業に入っている
ようで、インポート作業が集中しているとのこと。そのうち、インポート作業は終わ
りますので、しばらくお待ちをと連絡がありました。
 さて、当方のダイアリーがブログにインポート完了するのに、どのくらいの時間が
かかるでありましょう。これが終わるのと、関空が使えるようになるのとどちらが
早いでありましょう。

「図書」9月号から 3

 本日も「図書」9月号から話題をいただきです。
 書物を話題にした文章の3つめは「江戸の編集者」という横田冬彦さんのもので
す。
「日本で最初に出版された農書『農業全書』 元禄十(1697)年に本文十巻、
付録一巻で、京都の柳枝軒という新興の書肆から出版された。このことがもつ書物
文化史上の意味を考えてみたい。」
 冒頭で、このように記されています。仏教書や医書などはすでに数多くでていた
とのことですが、農書は、なぜこの時期になってやっとでるようになったかについて
書かれていました。
 これについて、「読む人、書く人、作る人」のそれぞれについて検証がなされて
います。
 農書でありますからして、読む人は農業に関係している人でありますね。その当時
の農民のどのくらいが本を読むことができたのでありましょう。
 書く人は、宮崎安貞という人だそうです。
「安貞は、福岡藩士を三十歳過ぎで引退して牢人となり、自ら農業経営を行うととも
に、老農たちにも農術を尋ね、さらに山陽道畿内の先進地農法も調査した。じつに
四十年以上にわたる研鑽の成果をまとめたのが『農業全書』だった。」
 牢人とあるのを見て、なんとこれは誤植でありますねと思うのが情けなやでありま
す。時代小説などを読んでいる人には、当たり前のことかと思われますが、当方は
牢人という言葉からは牢屋に入れられた人しか思い浮かべませんでした。もちろん
当方の表記では浪人でありますね。
 そして作る人であります。
 版元は京都の柳枝軒でありますが、これをプロデュースしたのは貝原益軒であった
とあります。
「益軒には農民という読者がそれなりに見えていたと思われる。益軒は判から地誌
編纂を命じられて、古記録や古文書だけでなく、地名や名所、旧跡、寺社、祭礼、
伝承などを現地調査するために領内全域の村々を順次廻村した。彼の日記には、
村々の庄屋宅などに宿泊し、そこに集まってくる近隣の庄屋や古老たちと『夜話』
をしていた様子が帰されている。・・
 したがって、益軒は村の庄屋クラスの農民が、それなりに本を読める読者である
ことを知っていた。」
 これに続くくだりは、とっても刺激的でありまして、興味深いのでありまして、
是非とも原文にあたっていただきたしです。
 とここまで記して、最近に図書館の新刊棚で手にして、数日借りだした本のことを
思い起こしました。

日本近世書物文化史の研究

日本近世書物文化史の研究

 なんと、この「江戸の編集者」の筆者は、この本の著者でありました。どうりで、
貝原益軒のことがでてくることであります。
「日本近世書物文化史の研究」は、頭におかれたものを、ちらっと読んだだけであり
ましたが、「図書」の文章を読んだら、また手にしてみたくなりましたです。

「図書」9月号から 2

 今月の岩波「図書」は、本を話題としたものがいくつかありまして、これが興味深
いことです。
 昨日にちょっとあげた細見和之さんの「ジョン・レノンプルードン」もその一つ
でありますが、さらに本そのものを話題としているものが二つもありです。
 一つは、「書物と出会う」という山口信博さんのものとなります。この山口さんと
いう方はグラフィックデザイナーで、折形デザイン研究所主宰とあります。
折形とはなんであるかですが、その折形に興味を持つことにいたったのが古書店でた
またま眼にはいって、手にした「包之記」という和綴の刊本だったとのことです。
全ページに図版がはいるので、これを見るとおおよそ察しはつくものの、そえられて
いる文字が読めないので、この文字をなんとか読みたいと思ったというのが、この文
章の書き出しでありまして、それからこの本を読み解くための勉強を始めることにな
ると続いていきます。
 図書館へといったりして調べたら、自宅に折形を特集した雑誌とか書籍があること
が分かって、それを探し出してきて、むさぼるように読んだとあります。
その二冊について、次のように書いています。
「共に1978年に刊行されていました。二冊ともカバーデザインが美しいのでジャケ
買いをし、中味をほとんど読んでいませんでした。軽薄だと笑われてしまうかもしれ
ませんが、そういうところがデザイナーにはあります。もちろん内容に惹かれて本
を購入することもありますが、デザインが良くないとちょっとガッカリした気持ちを
持ちつつ読むことになります。」
 もちろん、当方は軽薄だと笑ったりすることはありません。
1978年の本でデザイナーさんがジャケ買いしたものは、なんであったろうです。
「その一冊が『銀花』という、主に工芸をあつかっている雑誌で、杉浦康平デザイン
による『白い折形』の特集号でした。もう一冊の書物は、『折形の礼法』という
山根章弘先生の著書で、杉浦康平さんのお弟子さんである辻修平さんのデザイン
でした。」
 ジャケ買いといえば、杉浦康平さんデザインという時代がありましたですね。
その昔、けっこう値段が高かった「銀花」も、最近はとっても安く入手することが
できたりで、安いと買ってしまったりします。ここで筆者が取り上げている「銀花」
を、小生も架蔵しているだろうかと、「銀花」がおかれているところをチェックして
みましたが、残念ながら、この巻は持っていないようであります。

折形の礼法―暮らしに息づく和紙の美学

折形の礼法―暮らしに息づく和紙の美学

 それにしても、古書店でたまたま入手した和本と、このように決定的に出会って
しまうことがあるのですね。

「図書」9月号から

 岩波「図書」9月号が届いておりまして、まずは今月の新刊と来月の刊行予定に
目を通します。
 なんといっても、当方が巡回するこの町の新刊本屋には岩波文庫、新書が入荷し
ないのでありますから、岩波新刊を市内の店頭で手にするという可能性は限りなく
ゼロに近いのであります。最近の例外は、佐藤正午さんの「月の満ち欠け」だけで
ありまして、それも直木賞を受けたことによる特例措置のおかげでありました。
 今月の岩波文庫新刊には、カルヴィーノのものが一冊はいります。読むことがで
きなくても、これはどこかで購入することにいたしましょう。

 カルヴィーノ岩波文庫といえば、すでに何冊かはいっているのですが、やはり
「木登り男爵」を入れてもらいたいものです。白水社は、売れ筋はなかなか手放さ
ないかな。
 「図書」で一番の楽しみは、来月の刊行予定一覧でありますが、ここに注目の
一冊がありました。
 鷲巣力さんによる「加藤周一はいかにして『加藤周一』となったか」であります。
これには副題として「『羊の歌』を読みなおす」とありました。自伝風の小説(な
のでしょう)である「羊の歌」を、鷲巣さんがどのように読むのか、とても興味が
あることです。この本は、四六判544頁とありますので、かなりのボリュームに
なっています。値段がどのくらいになるのかですが、これは買わなくてはいけない
ことです。
 掲載されている文章にも興味深いものがたくさんありです。細見和之さんは、
ジョン・レノンプルードン」というのを寄せています。大阪文学学校の校長先
生である細見さんは、いつのまにか京都大学教授になっていましたです。

いよいよその時が 2

 はてなダイアリー2019年春にサービス終了するということで、結構波紋が広がっ
ているようです。ダイアリーのユーザーには、案内のメールが届いているとのこと
でありますが、当方のところにはいまだ届かずであります。いつか、届くのであり
ましょう。
 どちらにしても、当方ははてなのサービスを受け続けようと思っておりますので、
はてなブログとは、どんな使い勝手であるのか、それからどんな雰囲気になるのか
なと、テストしてみることにしました。
 なんのことはない、ダイアリーの管理画面からブログ作るというアイコンを押す
と、すぐにブログの画面が開いて、日記を書くということになりです。記事を書く
こと自体は面倒ではなさそうです。
 さて、こちらのブログにダイアリーをとり込もうとして、インポートを試みよう
としましたら、現在アクセス集中で、インポート作業は出来ないように制限がかか
っていました。別に急ぐわけではありませんので、そのうちにインポートできるよ
うになりますでしょう。
 写真を貼り付けたり、アマゾンとのリンクをはったりするのは、やはりブログの
ほうがやりやすいようです。そうでなくては、だれも使わないよなですし、当方が
ダイアリーでストレスを感じていたことの背景もわかってくることです。
 しばらくは、公開を目的ではなくて、お試し用として、非公開であります。
 月かわりとなって、出版社のPR誌が届いています。
 今月の出版案内で一番目を引いたのは、「一般書店ではお買い求めいただけませ
ん。」と注がついた新潮社のもの。
 「林忠彦生誕100周年作品BOX『無頼』」
 このBOXについては、写真家林義勝さん(林忠彦さんの息子さんとのこと)が次の
ように書いています。
「父の写真のプリントが欲しい、と乞われることがありますが、一般の市場にでるこ
とはまずありません。もし仮にこの8枚のオリジナルプリントが出たとしたら、かな
り高額なものになるでしょう。そこで今回、父の写真を愛してくださるファンの方々
に向けて、プリントをアーカイバルという手法のデジタル版画で再現してみました。
何度もテストを重ね、写真プリントの魅力を損なうことなく、版画ならではの柔らか
な階調で、満足のいく作品に仕上がりました。販売部数は120に限定、シリアル
ナンバーを付し、高橋睦郎氏の解説と、父が書き残した撮影時のエピソードなどを
まとめた小冊子を添えます。ちょっと高価な作品集ですが」
 「無頼」というのですから、太宰、安吾、織田作、田中英光など8名など。値段は
12万円ですが、これにとられている8人すべての人のファンという人にとっては、
むしろ安いくらいでしょう。太宰一枚だけほしいという人にとっては高いかもしれ
ませんが、新潮社「波」9月号の表紙にある太宰の写真をみましたら、この写真を
ほしいという熱心なファンは多いのではないでしょうか。そうなりますと、120
なんてすぐに埋まってしまいそうです。
 詳しくは新潮社の以下のページですね。もちろん、当方には縁のないものであり
ます。
http://www.shincho-shop.jp/shincho/goods/index.html?ggcd=snc01875&cid=zenshu 

いよいよその時が

 昨日にどなたかのアンテナにひっかかっているブログの見出しをみたら、はてな
ダイアリーが2019年春にサービス終了とありました。予想されていたことではあり
ますが、いよいよ正式にアナウンスされました。これからもはてなサービスを利用
される方は、順次はてなブログへと移行してくださいということです。
 うーむ、当方もどこかの時点ではてなぶろぐへの引っ越しを考えなくてはいけな
いようです。(このアナウンスをうけて、現在はものすごい人たちが移行作業に
入っているとのことでして、これが落ち着いてからですね。)
 以前にもはてなダイアリースマホで見ると、思ったように表示されなくて不満と
記したことがあるのですが、はてなさんがブログとダイアリーの両方を同じように
提供するのは、無理がありますね。
 それにしても、無料のサービスを10年以上にもわたって使うことができるという
のはありがたいことですね。当方はグーグルのピカサとか、グーグルプラスという
サービスを利用しているのですが、こちらははっきり商売でありまして、商売とし
てのうまみがなくなったら、サービスが終了したり、使えてもメンテナンスが終了
したりであります。
 このグーグルとくらべますと、はてなのほうがずっと良心的ではありますよ。

テレビをつけていたら

 だらだらとテレビをつけていましたら声優のTARAKOさんの声が聞こえてきました。
BSでやっています「鉄道旅」という番組でありました。
TARAKOさんといえば、まるちゃんでありまして、まるちゃんといえばさくらさんと
つながっていきました。それにしても、さくらさんまだお若いのに亡くなって残念
なことであります。
 とはいうものの、当方にとってさくらさんといったらまるちゃんよりも、ももかん
に収録されたエッセイでありました。ずいぶん前のことになりますが集英社が発行し
ているPR誌「青春と読書」に連載されていたのですね。これを読んで、そのおかしさ
にぶっとんだ記憶があります。
 当方にしては、珍しいこと単行本となったのを機に「もものかんづめ」を購入し、
当時中学生であった子どもたちと回し読みすることになりました。子どもたちも、
これの「メルヘン翁」などを気に入って、さくらさんのエッセイ集は子どもたちの
蔵書となって、今も我が家にあるのでした。コミックのまるちゃんにはほとんど縁が
ないのでありますが、我が家でもさくらさんは、人気でありました。
 さくらさんは、小説を書いてもかなりの売れっ子になったでしょうが、才能ある人
がコミックの世界へと進むようになったのは、このあたりからでありましょうか。

もものかんづめ

もものかんづめ