昨年の回顧 2

 3 もういいか 山田稔 編集工房ノア

 昨年一番うれしい本といえば、これ。書名となった「もういいか」は

「ぽかん 9号」に掲載されたものですが、「小沢さんとわたし」という

副題がついていることからわかるように、小沢信男さんとの交流を記し

たものとなります。 

 この文章中に、一枚の写真が掲載されていて(山田さんのこれまでの

本に写真が掲載されているものがあっただろうか)、この写真を喜んだ

のですね。

 2013年11月9日と日付があるのですが、茨木市富士正晴記念館の

講演会に小沢さんが呼ばれたときに、控室で撮影したもので、写真には

小沢さん、山田さんと福田紀一さんが写っています。福田さんが写って

いるのがいいのだよなですが、これの撮影者は当方でありまして、撮影

してから10年も経過して、山田さんがこのように使ってくださったことを

うれしく思ったのです。

 

  4 「一期一会」 網野菊 講談社文芸文庫 

 山田稔さんの「もういいか」に収録の「雑々閑話」のなかに網野菊さんに

関する本が登場します。これを読んで網野さんのものを読みたいと思って

いたら、横浜野毛(これまた宮本浩次さんのライブ参戦で訪れた時)の格調

高い古本屋さんで、文芸文庫版の「一期一会」を見つけて、ありがたく購入で

す。当方がうっすらと記憶していた「市川団蔵」についてのもの。

 山田さんは広津桃子さんの「石蕗の花 網野菊と私」を読んで感動したと

あったのですが、こちらは図書館から借りて読むことができました。

 ちょうど市川団蔵についての小説を読んでいたときに、その小説に登場

する八代目の孫で、その後九代目団蔵を継いだ方が亡くなられるということ

もあって、不思議なつながりを感じました。

 

  5 山梔 野溝七生子 ちくま文庫

 矢川澄子さんの本を読んで野溝さんの小説を読まなくてはと思っていま

したが、文庫になってやっと読むことができました。UAさんが参加するバンド

AJICO」というのは、この小説の主人公からとられていて、UAさんはすごい

なと思ったことで。

 

 5 彼女たちの戦争 小林エリカ 筑摩書房

 以前に「ちくま」の表紙とその裏に展開されていた小林エリカさんの

絵と文章が、連載後にも書き継がれて一冊となりました。連載中にこの

場でも話題にしておりましたが、小林エリカさんをこの時に知りました。

 単行本になった時に収録された「風船爆弾」をつくる話は、その後に

小説として話題となることにです。

 

 6 じょっぱりの人 森まゆみ 

 やはり明治の女性を描いた一冊。

 その昔、つれあいは「友の会」の会員でありまして、国体のアイスホッケー

の応援で訪れた八戸で、タクシーを利用して「羽仁もと子記念館」を見学に

いきました。