ついつい見てしまった

 ほとんど新潮「波」の連載でしかなじみになっていないのでありますが、

本日のTV欄に「筒井康隆の世界!」とありますと、ついついそれを見てしま

うことにです。

 「波」では贅沢な美食生活のことを書いているのですが、年齢のことも

あって、ちょっとさびしさが伝わってきたりもしたことです。

 本日の番組では、古くからのファンである山下洋輔さんが登場して最初に

筒井作品を読んだときの衝撃を語り、荻野アンナさん、巽孝之さんが作品に

ついてのコメントを寄せているほか、過去の筒井さんの映像に加え、老人

ホームで暮らすようになっての生活を自ら語ることになりです。

(この番組、当方はBS4Kでの放送でみたのですが、これは11月16日にNHK

BSで放送されるとのことです。本日に見逃したかたは、それをどうぞ。)

 本日に取り上げられた本は、筒井作品の代表的なものばかりで、ファンに

は物足りないものであったかもしれませんが、当方のようにほとんど読んだ

ことのないものには、読書案内でもありました。

 筒井ファンが、当方の人となりをご存知であったとして、当方に勧めてくれ

る筒井作品とは、どれでありましょうね。

 この番組には、編集者として新潮社の楠瀬さん(「波」編輯後記を書かれて

いる方)が登場することにです。筒井さんの文章になかに楠瀬さんが登場する

こともあって、担当して長いということは知っておりましたが、このような雰囲気

の方でありましたか。

 本日に画面に登場した楠瀬さんは、新潮社から発売中の「百年の孤独

Tシャツをジャケットの下に着ていました。新潮文庫百年の孤独」というと、

今回の文庫巻末の解説は筒井康隆さんによるものでありました。

『百年の孤独』ガルシア=マルケスTシャツshincho-shop.jp この解説で、筒井さんは、次のように書いています。

「ほんとうのことを言うと、実はおれのお気に入りは、マルケスが本書の8年後に

書いた『族長の秋』なのである。文学的には本書のほうが芸術性は高いのかも

しれないが、その破茶滅茶度においてはこちらの方が上回っている。」

 「族長の秋」は集英社からでていて、その後集英社で文庫にもなっているの

ですが、ずっと入手困難でありましたが、このたび版元をかえて新潮文庫ででる

とのことで、楠瀬さんのTシャツはそのためのPRでもあるのかな。