「図書」7月号から

 昨日にどなたかの「はてなのアンテナ」を見ておりましたら、そこに

WEB岩波のというのがありまして、そのヘッドラインを目にすることが

できるようになっておりました。

 WEB岩波といえば、普段はあまりのぞくことはないのだけど松本俊彦

さんのエッセイや佐藤正午さんのものが連載されているのでした。

昨日に目に入ったのは、「図書」7月号からの転載で「佐藤正午さんの

孤高」というタイトルでありました。そうか、7月号ならば先月に手にした

ものにあったのかと思ったのですが、この文章は見逃していたようです。

あらまと思って、しばし考えると7月号というのは6月末から7月初めに

到着するものでですので、当方はいまだ手にすることはできていないが、

WEBで公開が先行したということのようです。「図書」掲載の文章はい

つから同月に公開されるようになったのかと、ぶつぶついいながら、

ネットで、この「佐藤正午さんの孤高」を読むことになりです。

 「図書」で連載されている「編集者になりたい」というものの4回目で

ありますが、書いているのは山田裕樹さんという集英社の編集者さん

だった人の回顧談となります。

 今回は山田さんが担当することになった佐藤正午さんとの話で、次の

ような書き出しです。

「『すばる文学書』受賞者の佐藤正午さんを担当することになった。1984年

1月刊行の『永遠の1/2』である。

 実は、この作品が受賞・刊行となるまでひと騒動あった。私も絡んでいる。

というより、巻き込まれた。」

 集英社の社内事情なども書かれていて、編集者の話が好きな方には、

おすすめであります。それにしても、こうした文章が掲載されるようになって

いるのが最近の岩波でありますね。

 もちろん、岩波のことでありますので、「永遠の1/2」の売上に協力というわ

けではなく、岩波の出版物にも佐藤正午さんの新しいエッセイ・コレクションと

いうシリーズがあるのだそうです。

 「図書」7月号の巻末広告をみましたら岩波現代文庫のところに、それの案

内がありました。

 この文庫本の紹介文は、次のようにです。

「作家人生を歩み始めたばかりの若者。やがて小説の名手と呼ばれる彼は、

その未知なる日々に何を想い、綴ったのか 

デビュー作『永遠の1/2』受賞記念エッセイである表題作はじめ、瑞々しく親し

み溢れる初期随筆を収録。」

 このシリーズは全3冊なのだそうですが、どんな文章が収録されているの

かな。「かなりいいかげんな略歴」は光文社文庫のエッセイ集には収録され

てなく、当方はどうやら未読のようであります。

 まずは、楽しみに待つことにいたしましょう。