月の満ち欠け

 昨日の朝日新聞朝刊には芥川賞直木賞の発表記事があり、人物紹介の欄には直木
賞に決まった佐藤正午さんが登場しました。
この佐藤さんの紹介記事の最後にのっている佐藤さんの言葉です。
「編集者が残念がる顔を見たくなかった。売れる作家じゃないのに原稿を頼みに来て
くれる。期待に応えていかないと」
 編集者の期待に応えたかったというのが、ぐっときますね。この編集者というのは、
まずは岩波の坂本さんでありましょうが、光文社とか集英社の担当者さんのことも頭
においての発言でありましょう。(それにしても、どうしてもっと前に候補にならな
かったのかと思うのですが、早くに話題作をいくつも発表していますからして、その
ころの担当編集者さんは、やはり岩波本での受賞には残念がっていますでしょう。)
 岩波書店の新刊本は、この町の本屋には入りませんので、「月の満ち欠け」が刊行
になっても行きつけの書店では出会うこともなく、先月に遠征した街の大きな書店で
も見かけることができず、これはこの本とは縁がないのであるなと思っておりました。
( http://d.hatena.ne.jp/vzf12576/20170627 )
 ここのところ、岩波書店からでた佐藤正午さんの本を話題にしていたせいもありま
して、どっかで見ることはできぬかと思ってましたが、たまたま買い物にでかけた
ショッピングモールに入っている書店(あまりぱっとしない)に、直木賞決まると
いうはり紙のそばに、「月の満ち欠け」が二冊ありました。あらまこれは当方に買い
なさいということであるなと、ほとんど初めて佐藤正午さんの小説本を新刊で購入し
ました。
 店頭にあった「月の満ち欠け」には「ついに直木賞候補に。」という帯がついて
いまして、佐藤さんのためというよりも、編集者 坂本さんをお祝いするために買っ
たというところでしょうか。
 あとは読むだけでありますが、すこしゆっくりと楽しんで読みたいものです。

月の満ち欠け

月の満ち欠け