図書館本に感謝で

 明日は図書館本の入れ替え日でありまして、あしたに返却期限を迎える本と

とりあえず最後のページまでたどりついた本などを持参して手続きをとることに

なります。

 「マルクスに凭れて六十年」は返却であります。とっても楽しく読んだのであり

ますよ。この手の本を面白く読む人というのは限られているだろうなと思いなが

ら、当方の同年の友人に、興味深く読むことができたし、彼の敬愛するマルキスト

の名前などもでてくることから、図書館で借りてのぞいてみてとメールをすること

にです。

 メールを送ってから彼が利用している図書館に、この本が架蔵されているか

どうか確認してみることにです。最近はありがたいことで、北海道内の図書館ネッ

トワークを利用して他館の横断検索もできるのであります。

 それで「マルクスに凭れて六十年」を検索してみましたら、ななんとこの本を架

蔵しているのは、北海道立図書館と当方が借り出した図書館の二館のみであり

ました。当方は、地元の図書館で検索をしてあっさりと見つかったので、あちこち

の館にも、当然のようにあるのだと思っておりました。

 こうなってみると、当方が利用している図書館というのは、なかなか大したもんで

あるのかもしれませんです。(その昔に選書したスタッフたちの力量であるのかも)

 ということで、あらためて地元の図書館に感謝することです。

(下のリンクは増補改訂新版でありますが、当方が借りたのは1983年の青土社

の元版です。)

 あした返却するもう一冊は、「杉浦康平と写植の時代」であります。

学術書でありますので、そこそこ面倒な書き方となっていますが、わからないなり

に最後にたどりつくと「杉浦康平と写植の時代」というタイトルの意味が、うっすら

と理解できるようになります。

 杉浦康平という傑出したデザイナーとそのスタッフ、それに写植のオペレーター

たちが作り上げた日本語を活用してのアートワークは、2000年頃にコンピュータ

ソフトが進化することによって、大きな影響を受けます。

 写植利用からコンピュータへと作業ツールが変わって行き、杉浦さんのこだわり

にこだわったスタイルは、コスト面から敬遠されるようになって、それにあわせて

本の装丁から離れていくことになるのですね。 

 杉浦さんはともかくとして、写植機のトップメーカーであった写研という会社の

盛衰をこの本で知りまして、さてこの会社はどうすればよかったのであろうかと

強く思いましたです。

 この本の最終章は、今も入手可能な杉浦康平の写植を活用した本の紹介で

終わっています。杉浦康平デザインとスタッフの名人技は、この本でも知ることが

できるのだそうです。