あれよあれよのうちに

 先日に半世紀くらいも逃亡生活を続けていた指名手配犯が入院先で、実は

自分はと名乗りを上げたら、それから何日もしないうちに亡くなったとのことで

した。

 それと同じ頃に当方も、この場で話題にしたTVドラマの原作者が、ドラマの

制作過程でTV局との間で意思疎通を欠いたということがインターネットで話題

になって、その結果は不幸なことになりました。

 どちらもあれよあれよでありまして、きっとSNSでは、この話題で盛り上がって

いるのだろうなと思うことです。

咎められたところで彼らはまったく反省などしない、他人の家に土足のまま無遠

慮に入り込むことはまるで自分たちに与えられた特権であるかのような、不届き

千万な開き直り方なのだ。」

 上に引用したのは磯崎憲一郎さんの「日本蒙昧前史」の文春文庫版63ページ

にあるくだりです。このところは、1976年に誕生した五つ子さんをめぐる取材騒動

を、五つ子の父親の視点から書いているところになります。

 この父親も報道関係者ということで、過熱する報道に嫌悪感を抱くとなります。

 この時代は主にマスコミでありますが、最近は、それに加えてSNSにアップする

ことを目的にした人たちも集まるのでありますからして、その酷さは1976年とは

比べものになりませんでしょう。

 当方もSNSを利用してはいるのですが、使い方を誤らないようにしなくてはいけ

ないことです。とにかくバズらないようにしなくてはです。