三が日に、昨年の手帳などを開いて、振り返りをすることにです。
見たもの、読んだもの、聴いたものなどから印象に残ったものをリスト化して
みることにです。
まずは本の話題からですが、今年に読んだものということで、出版年は今年に
限りません。順不同となります。
・ 失われた時をもとめて マルセル・プルースト
読もうと思って半世紀を超えました。井上究一郎さんの訳で文庫と単行本の
二セット購入してだめでしたが、岩波文庫でやっと読むことができました。
これを読めたのは7月に突発性難聴で入院したことによりますが、長編小説を
読む環境としては入院はよろしいかもしれません。生死にかかわるものはいけ
ませんが。
7月下旬に入院した時に、持参したのはプルーストと四方田さんの新刊であり
ました。最近は、四方田さんの本は買うことができていなかったのですが、ひさし
ぶりに、この本を買いましたら、病室で読むことになりました。当方のほうが四方
田さんよりも年長ですが、読書した環境のせいもありまして、なかなか沁みる内容
でありました。(この本を読んだ後に、「中年に至る」も読むことになりました。)
若島さんが詰将棋作家としても著名であることは承知しておりましたが、その
関係の本を初めて読むことができました。当方としては、これは今年の文庫大賞
でありますね。この本は知る人ぞ知るのものでありましたが、古書価が相当に高
額であったとのことです。こうして入手しやすくなったのはありがたい。
将棋の世界はディープでありますが、詰将棋というのは、また違った知的なパズ
ルのような趣であります。
・ジュリアン・バトラー真実の生涯 川本直 河出書房
一昨年の読売文学賞を受けた作品ですが、その選評を若島正さんが書いて
おりましたので、若島さんつながりとなります。(この作品は早くも昨年に文庫化
されていますが、その解説も若島さんでした。)
小説というのは、文字で書かれたフィクションであるということを、再認識させ
てくれる作品。大変な仕込みが必要であったと思わせるもので、巻末の文献リス
トを見るのが楽しい。吉田健一さんの本を「日本の古本屋」で検索してみたりで
す。
( 明日に続きます )