プルースト読書の入院かな

 昨日に引き続き元気に点滴治療を受けながら読書に励むことにです。病気の性格によっては読書どころでないのですが、当方は難聴治療ですから、手術や抗がん剤治療のように、精神的なダメージがなくて、ありがたいことです。

 朝目が覚めましたら、四方田犬彦さんの新刊のいくつかの章を読んですごします。まるで、この入院を想定して購入したような1冊で、自宅でよんでいたら、読後感はまるでちがっていたでしょう。入院期間中に繰り返して手にすることになりますでしょう。

 そしてプルーストです。一気に読むのがいいのだよねといわれました。訳者の吉川さんは一月か一月半もあれば読めるでしょうと記していたようにおもいます。

 ところが、そうはいかないんだ とこれはBiSHさんの歌詞を借りますが、すでに読み始めて三年目がですか。いつまでかかっているのかと見えざる力が働いたか、読書に専念できる環境を用意してくれました。とにかく10時間に近い点滴中は、食事を除いてはプルースト読書にあてることにです。岩波文庫の12巻も残り200ぺーじくらいなので、最終巻まで千ページちょっとです。1日200ページのペースでいけば退院の時にはめでたくプルーストラソン完走となります。

 12巻の消え去ったアルベルチーヌ は下世話話題て興味深く、これまでの伏線の回収などもあって、小説が終わりに向かっているなと感じさせます。

こうした贅沢な読書環境は健康保険制度のおかげでありまして、入院費用は多分百万円近いでしょうから、これの負担が厳しいとなると、あとは獄中読書でしょうか。しかし、こちらはなにかと制約が多いし、犯罪を犯さなくてはいけないので、入るためのハードルは高いことです。