今週の図書館行きでは、新たに二冊の本を借りることになりです。
読むのに苦労する面倒な本は、あまり借りる人がいないこともありまして、いつ
までも借りていることができますが、当方がこれは読めるのではないかと思うものは
他にも借りたい人がいまして、期間内に読んでしまわなくては、予約が入っていたり
することがありです。
先日に借りた二冊は、そのような可能性があるだろうと思うものでした。
一冊は、先月に朝日新聞の「語る 人生の贈りもの」の登場した信田さよ子さん
の新刊でありました。信田さんのお名前を眼にしたことはあったのですが、この連載
を見るまでは、どのような方か知りませんでした。この連載のおかげで、この本に手
が伸びたといえるでしょう。
版元は「生きのびるブックス」ということで、ここの本を手にしたのも初めてであ
ります。巻末に掲載の既刊本を見ましたら、藤原辰史さんの本も出しているとのこ
とです。
この本のまえがきのところをやっとこさでのぞいているのですが、ここには、次の
ようにあります。
「私は社会政策の専門家ではないが、この国はあらゆる政策の下支えを家族に求
めてきたことをカウンセリングをとおして実感している。その家族をさらに下支えし
てきたのが女性(祖母・母・妻・娘)であることは言うまでもない。・・
日本の福祉の不備を『家族の絆』や『家族愛』といった言葉がカバーしているこ
とは、精神科医療や子どもの発達障害をめぐる状況を見ても明らかだ。子どもに何
か問題が起きれば、父と母のどちらかが仕事を犠牲にするか。家族の支えが必要
と語る援助者は、家族=母を前提としていたりする。後は家族がなんとかする、なん
とかすべきという押しつけは、東日本大震災という『災厄』を経て、むしろ強まって
いる気がする。」
そういえば、ことしに発足した子どもについての施策を統括するお役所の名前を
決まるときにも、このことが話題となりました。結局のところ「こども家庭庁」とい
うことで収束したのですが、もちろん「こども」だけでよくて、「家庭」は余分と
いうのは信田さんたちの立場でありましょう。
当方が子育てをしていた時は、隣家にこどもたちの祖父母が住んでおりまして、
何かあれば、祖父母の力を借りることができました。関西で家庭を持って暮らして
いる息子たちは、一人は同じ市内に孫たちの祖父母が住んでいて、何かがあれば
力を借りることができるのですが、もう一人は妻の両親も遠くに住んでいて、なか
なか力を借りることもできないのですね。
コロナが流行し始めたころに、いつも助けを借りている妻の両親が感染し、そ
れに続いて妻も感染しで、この時はホテルに隔離ということになりましたので、
いきなり父子家庭まがいになりです。コロナ時ですから、当方のほうも応援に
かけつけることもできずで、なんとか感染が広がらずに、速やかに回復してほしい
と思ったものです。
当方の家族の場合には、なんとか乗り切ることができたのでありますが、ほん
とに綱渡りのような不安な日々であったことでしょう。
後年になって、こどもたちは、コロナ体験をどのように思い起こすことになるのか
なと思うことです。