「図書」の連載といえば

 岩波「図書」に連載されたエッセイは、その昔でありましたら「岩波新書」で書

籍化されるののでありました。最近は、単行本となることが多いのかな、現在図書

館から借りている斎藤真理子さんの「本の栞にぶら下がる」は、岩波新書での刊行

でありましたら、文句なしに購入していましたでしょう。

 まあ岩波新書ではないので、すばらしい高野文子さんの装丁を楽しむことができ

るのですが、本好きな方は、この本を買って読みましょうね。

 岩波「図書」に連載されている時は、なぜか読めていなくて、後藤明生さんが

とりあげられているところから読んでおりました。その前にはどのようなことを

話題にしていたのかなと思いながら、古い「図書」をチェックしようとして、その

ままになっていました。

 この単行本の巻頭に置かれているのは高野文子さんつながりによる「チボー家」

でありました。

 「チボー家の人々」が話題となるのは、高野文子さんの「黄色い本」が有名で

ありまして、斎藤さんは郷静子さんの「れくいえむ」でも登場人物が読んでいるし、

小津安二郎の「麦秋」でも原節子北鎌倉駅のホームで話題にしているとのことが

書かれていました。

 この時代に「チボー家の人々」など読む人はいるのだろうかでありますが、この

ように高野文子さんとか斎藤真理子さんが話題にしていることによって「黄色い本」

を手にする人がいるのでありましょうね。

 当方も、これを機にすこしでも読み返してみることはできぬかなです。もう半世紀

も前に一度読んだのですが、この「黄色い本」の箱入りセットは、まだ捨てずに、

我が家のどこかにあるのですねよ。