先日から気の向くままに手にしていた小林勇さんの「惜櫟荘主人」をほぼ
読み終えましたので、これに引き続いて岩波つながりということで、高野悦子
さんの文庫本を手にしてます。
まるで頭からとんでいましたが、高野悦子さんというとお二人いまして、当
方が読もうと思っておりますのは、岩波ホール支配人であった方のほうです。
岩波ホールですから、高野さんは岩波書店関係者とありまして、小林勇さん
とは縁戚ということになります。(小林勇さんの奥様は岩波茂雄の娘で、
高野さんの姉は、岩波の息子の嫁という関係)
高野さんの本は、岩波家について書いてあるものではなく、自分の母親につい
て書いたものでありました。
これを手にしてページをめくりましたら、最初のところに、次のくだりが
ありです。
「(旧満州での)子どもの頃、友達は口をそろえて、日本を代表する山は富士
山だといった。・・しかし、わが家で日本一の山といえば、それは立山のこと
だった。父も母も富山県人だからである。」
このように書かれていることから、富山への愛に溢れる本ではないかと思う
のであります。
当方も曽祖父の代に、高野さんの父親が育った富山の下新川郡をあとにして
北海道に移住したこともあって、曽祖父たちは立山を間近に見ながら育ったの
であるなと、その山にとても親しみを感じるのです。(それだけに富山出身の
力士 朝乃山のことは残念です。)
当方は富山には一度足を運んだだけでありますが、その時には雨模様で立山
を目にすることが出来ずでありました。そのうち、またと思いながらコロナの
ために旅行がままならないことになり、まさかこのまま目にせずに終わったりは
しないでありましょう。