山田さん好みの二冊

 週末から安藤サクラさんの映画を見にいったり、エレカシライブ配信を見物

したりで、さっぱり本を読むことが出来ておりませんです。

 これはいかんことで、図書館から借りてきた本を手にすることにですが、本日は

行きつけの本屋さんで文庫本を購入しましたので、それもあわせて机の上にのせて、

本日は山田さん好みの二冊です。 

 山田さんといっても、となりの山田さんではなくて、作家の山田稔宗匠好みと

思われる二冊であります。

 一冊は、図書館から借りた今年にでた小説です。

 ロジェ・グルニエといえば、山田稔さんが翻訳を手がけられている作家で、長命

でありましたので、2018年に98歳で亡くなるまで勢力的に作品を発表していまし

 2000年代のはじめ頃までは山田さんはグルニエの翻訳をしていましたが、加齢の

ために翻訳は大変になったということで、今回は宮下志朗さんが翻訳です。

 宮下さんによるあとがきには、次のようにありです。

グルニエの翻訳者といえば、だれしも、作家でもある山田稔さんの名を挙げる。

ポー町で『第二の青春ともいうべき時』を過ごした山田さんは、グルニエ作品に

この土地がしばしば登場することに運命的なものを感じて、この作家に惹かれて

いく。・・ 

 山田さんは次々とグルニエを翻訳し、文学好きを喜ばせてくれた。やがて、わた

しもグルニエのエッセイの翻訳を出すようになった。短編も訳したいとは思ったも

のの、『山田稔訳のグルニエ』は定評のあるところだから、わたしなどの入りこむ

余地はなかった。」

 宮下さんが、このグルニエの最後の短編集を翻訳なさったのは、山田稔さんが

「あるとき、もう翻訳は大変だからやらないと話している」と聞いたからだそう

で、いろいろな縁で、この翻訳を送り出すことが出来たとありました。

 当方などは、図書館で目にしなければ、これを読むこともなかったでしょう。

 本日購入した一冊も山田宗匠好みでありまして、この作家さんのことも、宗匠

が2018年2月の「みすず読書アンケート」で取り上げていたことで、当方は知る

ようになりました。ほとんど読むことができていないのですが、それ以来、気に

なる作家さんであります。

  イーユン・リーのデビュー作にして代表的な短編集です。元は新潮社から出て

いまして、何故か新潮は文庫化せずで、河出からイーユン・リーさんの三冊目の

文庫となりました。河出さんに熱心な人がいるようであります。