あと一日分ありだ

 昨日に引き続きで「本の雑誌」から話題をいただくことにです。

 「本の雑誌」には「鉄道書の本棚」という連載がありまして、筆者はV林田さん

という方です。

 今月の話題は「職人が作った国鉄オリジナル書体」というもので、「すみ丸

角ゴシック体」を話題にしています。この書体は「駅名標の文字等に使われた

オリジナル書体である。」とあります。

 こんな書体を取り上げたマニアックな本があるというのが、鉄道マニアの奥深い

ところです。元は雑誌「鉄道ジャーナル」に連載されていたものをまとめたものだ

そうです。

 V林田さんは、この本のことを紹介しているのですが、次のように書いている

のです。

「本書はまず、すみ丸ゴシック誕生までの経緯から入る。ここで国鉄における

書体変遷の生き字引としてナビゲーター的に登場するのが、JR東海初代社長・

須田寛だ。これは単に肩書だけで登場したわけではない。実は須田という人、

JR社長経験者の中でも屈指のマニア気質の持ち主として知られているのだ。」

 このあとで須田の鉄道で使われる文字についてのこだわりなどが紹介されて、

普通の上級社員でありましたら、とってもこのようなことはできないでありま

しょうというエピソードが紹介されます。

 なんとも良い話なのでありますよ、ここで紹介されているのは。ほとんど

たたきあげの職人さんのような印象を受ける須田さんであります。(JR東海

社長さんといえば、えらく悪名高い人がいるのですが、その真逆のような人)

 そういえば、鉄道クイズ(たとえばチコちゃんの)のような時に、回答の背

景を説明する役目を須田寛さんが行うのを見たことがありました。こういう時

には、須田さんにでていただくというのが、鉄道マニア業界での共通認識なの

ですね。

 須田寛さんは、京都で活躍した洋画家須田國太郎さんのご子息でありました。

須田國太郎さんは、中井正一さんなどのお仲間でありまして、当方はそちらの

ほうで名前を知ることになりました。 

 今から二十年くらいも前に京都で須田國太郎回顧展がありまして、それを見物に

いったことを思いだします。

 須田寛さんはというと、国鉄のアイディアマンとして知られ、ウィキをみても、

フルムーンパス、青春18きっぷホームライナーなどの生みの親といわれるとあ

ります。

 まことに残念なことにフルムーンパスという商品は姿を消してしまいましたが、

青春18きっぷはいまだ健在でありまして、これは末永く続いてほしいと願って

おります。 

 ちょうど手元には一日分残っている18キップがありまして、この週末はこれを

使って鉄道旅をしようかなと思っております。