とばしながら読むことに

 図書館から借りている本の返却期日がせまっていることもあって、すこしでも

なかをのぞかなくてはいけないと、手にすることです。

 パラパラとめくりながら、興味のあるところで手をとめております。

ということで本日に手にしているのは、中公新書国鉄」であります。中公新書

くらい買えよなと思うのですが、若い人が書く中公新書は買って読みますが、功

成り遂げてという著者のものは、まあいいかであります。

 著者は国鉄からJR九州に配属され社長を努めたかたですが、三島会社の経営の

大変なことは身にしみていて、それでもJR北海道の大変さはと書いています。

「人口密度が鉄道の利益率に比例することは、すでに述べたとおりである。

三島会社のなかでも、特に人口密度が低く、長大な線区をいくつも持つJR北海道

の鉄道事業が、開業当初から極めて厳しいものになるであろうことは、充分に予

想されていた。」

 「極めて厳しい」でありますから、最初から民間企業としては成り立たないの

でありますね。経営安定のための基金も、その後の低金利のために想定の半分く

らいというのですから、ふんだりけったりであります。

 その上、北海道ならでは事情もありです。

「北海道は、本州と異なり、冬が長くて降雪量が多く、気温も氷点下が続くという

厳しい自然条件の違いがある。当然、道外とは車両の構造も違うし、線路の設備も

全部違う。除雪費用もかかる。さらには青函トンネルの経費もかかるので、非常に

厳しい経営条件下にある。」

 著者の石井さんは、このように言ってくれていまして、鉄道関係者にとっては、

常識なのでありましょうが、今はJRは不動産収入で息をついているのですが、当方

の町の駅ビルは、開業時はテナントがはいってにぎやかでありましたが、いまはほ

ぼ空きビルとなっていますので、それも難しいようであります。