本日はつまみ読み

 昨日の夜からつまみ読みの状況が続いています。気の向くままの読書であります。
昨日の毎日新聞読書欄の後藤明生作品についての荒川洋治さんの評を見ましたら、
まずは後藤明生さんの手持ち作品を読んでみたくなりました。当方がもっている
もので初期作品が収められているのは、河出書房からの「新鋭作家叢書」だけで
ありますので、そのなかから荒川さんが取り上げていたものを読もうと思いまし
た。そう思いながら読んだのは、作品集の冒頭におかれている「関係」というもの
になったのですが、これは29歳の時の作品とのこと。こういう作品もあるのだなと
いうのが感想です。これに続いては団地ものの「誰?」を読もうと思っているので
すが、いまだに手がついていません。明日は読む事ができるでしょうか。
 本日は外出の予定があり、その折にはコートのポケットに古山高麗雄さんの文庫
本「片乞い紀行」をいれてでました。元版は昭和50(1975)年刊行ですから、40年
以上も昔の紀行となりです。
 まずは当方にもなじみの地名がならんでいる「オホーツクを見た」をのぞいて
みました。北海道内を鉄道、バス、タクシーを乗り継いで旅行するものですが、
この時代の鉄道は、いうまでもなく国鉄でありまして、いまでは、とてもこのよう
に周遊することはできないなと感じました。
 そう思って、この本のあとがき、それに解説を読んでみましたら、古山さんがこ
の紀行で野呂邦暢さんと面会すると記してありました。
それは知らなかったで、まずはそのところをつまみ読みすることにです。文庫本の
見開き2ページに足りないくらいの文章ですが、たしかにここには、長崎の街を案内
する野呂さんの姿が描かれていました。これは思いがけないことでした。