上半期のふりかえり

 昨日に届いた「本の雑誌」8月号は、特集が「2023年度上半期ベスト1」

というものでありました。そうか、今年も半分が過ぎたのでありますね。

本の雑誌」の上半期ベストというのは、新刊に絞ってのことでありますが、

ほとんど新刊には縁のない生活をしていることもありまして、当方は上半期に

読んだものとか、心に残ったものを書きだすことにです。

 順不同であります。 

 まずは、今年の上半期といえばの一冊です。

 このところ好調が続く河出文庫の一冊。若島正さんの別の一面が見られる

もので、すごくキャラの濃い人が登場し、詰将棋の楽しさが伝わってきます。

正しい読み方は、将棋盤と駒を用意してといわれましたが、そうしなくても

面白かったことです。

 結局のところ、図書館から何度か借りて読んだのですが、読み通しても

いないのに、これは同時代を生きた人が書いた本ということで愛着がわき、

しかも山尾さんの作品世界(幻想と迷宮)へのガイドブックにもなっている。

これを読むと、山尾さんの小説を読もうという気分になることで。

山羊と水葬

山羊と水葬

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 これも図書館から借りていて、ほとんど自分の本のように借り続けているも

のです。この本のことを友人に紹介しましたら、図書館から借りて読み、速攻

で購入したということです。

 北海道の田舎町で育ち、音楽が好きで、大学時代にアン・バートンのレコード

を擦り切れるほどきいたというところに、これは当方の話かなと思いました。

 上半期はずっと赤染晶子さんの小説を借りて読んでいました。昨年にでた

エッセイ集は読みやすいのですが、小説は面白いのですが、かなりシュール

で、メタフィクションのようでわかりにくい。エッセイと小説のギャップと

いうのが赤染さんの魅力なのでしょう。

 あとは、いしいひさいちさんの「ROCA」でありますね。

 ひと月に一冊くらい手ごたえのある本にあたりたいものですが、まだほか

にありそうですが、とりあえずはこのくらいで。