<伝説の戯作>新字新仮名版

 昨日まで二日続けましたタモリ倶楽部でのエレカシ宮本浩次さん話題は、お

かげでパオさんに喜んでいただけたようで、これはよかったことです。この勢い

で6月12日の「MY ROOM」参加と行きたいものです。

 宮本浩次さんといえば、永井荷風でありますが、新潮「波」6月号には、次の

ようにあるのでした。

「本誌連載『荷風の昭和』(五月号)に登場した<伝説の戯作>を読みやすい表

記で特別掲載!」

 最後のところに!がついているのがみそでありまして、荷風に関連しての伝説の

戯作というと、あれでありますね。

 「荷風の昭和」は川本三郎さんの連載でありまして、五月号では60回となっ

ていました。川本さんが伝説の戯作について書いているところを引用です。

「『四畳半襖の下張』は短編である。中央公論新社版の『作家の証言』に全文掲

載されているが、十一頁しかない。そして、文章は、戯作文であり、よほど古典

に素養のある人間でないと読みこなせない。とくに閨中の描写には古語が頻出す

る。・・・これでが昭和47年当時、たとえ『面白半分』を買って読んでも理解出

来る読者は限られていただろう。」

 ということで、「波」6月号に「特別掲載!」されているのは、「四畳半襖の

下張」の新字新仮名版となります。

 これの元版が昭和47年に「面白半分」に掲載されて、それがわいせつ文書と

なって裁判となったのは、有名な話でありますが、それから半世紀が経過し、

この時代にこの戯作を、わいせつ文書として摘発する動きはなさそうでありま

して、そうしたことから裁判の時に特別弁護人を務めた丸谷才一さんの「この

裁判それ自体がすこぶる滑稽なものだからであります」とのほうが、歴史的に

はあたっていたようであります。

新潮「波」6月号 <伝説の戯作>特別掲載!