先日に「ちくま」4月号が届いておりました。このところ「ちくま」とは相性
がよろしくないのでありますが、今回の号には斎藤美奈子さんの「いまこそ読も
う、鉱山文学」が掲載でした。思わず、「鉱山文学」というのにひかれました。
斎藤美奈子さんは、鉱山のファンということで、鉱山を舞台にした小説にも
なみなみならぬ関心を抱いているようです。鉱山を舞台にした作品を、まとめて
鉱山文学というのだそうですが(もちろん斎藤さんのくくり)、そういえば、
そのようにくくることのできる作品は、あるだろうよなと思うことです。
ということで、今回の齋藤さんの文章からは、いろいろと教えられることが
多いことです。
「かって鉱山が隆盛をきわめたのは過去の話。六十年代後半以降、日本中の鉱山
が廃坑に追い込まれた。石灰鉱山(セメントの原料となる石灰の採取場。国産で
唯一百パーセントまかなえる鉱物)を除くと、最盛期には数千(一説によれば
八千)あったとされる鉱山のうち、現役の金属鉱山は、菱刈金山(鹿児島県)
一鉱のみだ。」
へぇー、そうなんだであります。当方の住む北海道には石炭をはじめとしてあ
ちこちに鉱山がありました。子どもの頃に住んだところの近くにも金山あったり、
レアアースなどの金属鉱山がありましたです。いずれも山のなかでしたが、どち
らにも多くの人が居住していて学校もあったのですね。
レアアースの鉱山からは町のほうに鉱物が運搬されていて、そこは選鉱場と
呼ばれていました。具体的にどのようなことをしているのか知らず、遠くの丘の
上にある建物を、小学生であった当方は見あげておりましたです。
鉱山にかかわる小説といえば、炭鉱で働いていた小説家などもいることから、
作品が残っているのは、思い浮かぶのでありますが、今月の「ちくま」で斎藤
さんが紹介しているのは、次の三作品でありました。すべて女性の作品ですが、
どれか読んでみようかなです。