ひどく寒いことであり

 本日は前日よりも10度も気温が低くて、ひどく寒いことです。雨になりまし

たので、花見にでかける気分にもならずです。すこし室内で片付けでもしましょ

うかと思いましたが、それも手がつかずでした。

 そういえば、休み期間のために図書館から借りてきているものには、何もする

気分にならないときでも読むことができるようなものも混ぜてあるのでした。

たとえば、次のようなもの。

  なんとなく近寄りがたい高橋英夫さんの、うんと軽い読み物。1999年の本で

ありますので、この時の高橋さんは69歳で、今の当方よりも若いのでありますね。

ほとんどが短いものでありますので、読み流すのにはもってこいのようです。

 書名ともなっている文章は4ページですし、それは京都の古本屋を話題にする

ものですので、これは楽しく読むことができることです。

その次に置かれたのは大阪で教鞭をとっていたときに、大阪で購入したりした本

を話題にしていますが、大阪での仕事を終えて、東京に引き上げる時に、大阪に

置かれている本を、三つの区分にわけるということで、それは次のようになるの

だそうです。

 どうしても持って帰るもの、大阪の古本屋さんに引き取ってもらうもの、どう

にもならないので置いてくるもの。

 それじゃ、どうしても持って帰るものは、どのようなものがあるかです。

「たとえば、大学の生協で買ったドイツ語の原書のグリム『ドイツ語辞典』全

三十冊とか、柳田國男らの出した雑誌『民族』『民俗学』全巻の復刻版とか、

上本町の天地書房で買った九鬼周造の全集とか。」

 検索をかけましたら高橋英夫さんは、1994年から98年まで後藤明生さん

の誘いで近畿大学文芸学部の教授として勤務したのだそうです。大阪に在住して

いたのは、そのせいでありますが、住まいは東大阪であったようです。

 上にひいたところを見て、目にとまったのは、「上本町の天地書房」という

くだりでありました。当方の大阪の寄留先は上本町界隈でありまして、しかし

上本町の天地書房には足を運んだことがないなであります。

 それでどのあたりにあったのかと調べてみましたら、このお店は2014年に

閉店しているとのことです。当方がピーチ便を利用して大阪に通うようになりま

したのは2012年でありますので、その頃は、まだ天地書房は上本町に健在で

あったのですね。そのころには、まったく訪ねることができていなくて、足を

運ぶことがなかったのは、残念なことです。

 1970年過ぎのこと、当方の友人がイラストで大阪中心部古本屋図面という

のを作ってくれて、これには古くからの天地書房が確認されたのでありますが、

あの貴重な友人作の古本屋図面は、どこに紛れこんだものか、捨ててはいない

のだけど、もうでてくることはないのかな。