本日の新聞広告から

 その昔に読むことのなかった小説を、気が向くままに読んでみようかしらんと思っ
て、ブックオフなどで探してみましたら、70年代初め頃の文庫本というのは、けっこ
う見当たらないのですね。
 当方が、その昔に古本屋さんを歩いていたときは、あっちにもこっちにもあったの
にです。まあ、そういうものだといえば、そうですよね。
当方が読んでみたいなと思ったのは、黒岩重吾さんの大阪南を舞台とした小説であり
まして、これは当方が大阪にすこし土地勘ができたこととも関係がありです。
いまだに飛田とか天下茶屋というあたりには足を踏み入れることはないのですが、
まずはその前に、その昔の雰囲気を小説で読んでおこうと思ったりです。
 それでブックオフですこし探したのですが、これがほとんどヒットせずです。
かろうじて見つかったのは、古い角川文庫の一冊でした。

 ほんとうは、「西成山王ホテル」とか「飛田ホテル」があったらなと思っていたの
ですがね。
 ないと思って検索をすると、これはそこそこ中古本としても値段がついているので
ありました。市場から姿を消して、少ないけども本を探している人があると、足元を
見透かすかのように値段があがるというのが、ネット中古本の世界です。まったく。
 そこで、本日の新聞広告です。筑摩書房の広告に黒岩重吾「飛田ホテル」が復刊と
ありました。「昭和の名作ミステリ短編」ともありです。ミステリ系の人は、そこそ
こ高値でも買いますから、これまでネット中古本市場では、高い値がついていたので
ありますか。
 この文庫が復刊したおかげで、すこし過去の本は値段の見直しとなるでしょうか。
それとも、やはり文庫であったも元版がよろしということになるのでしょうか。
飛田ホテル (ちくま文庫)

飛田ホテル (ちくま文庫)