まるで別の国のよう

 ここのところ北海道の話題といえば、札幌を中心とした地域の雪害でありま

して、そこに住んでいる知人からは毎日のように除雪に追われて、気力も体力も

限界であると泣きが入っています。

 当方の住む太平洋岸も例年よりは雪は多いというものの、雪のために交通マヒ

が発生することはなしであります。数日前からの雪では、たった20数キロしか

離れていない町では2日で70センチほどの降雪があったとのことで、車を出す

こともできなくなったと連絡がきました。

 いつもでありましたら、一時間もかからずに訪問できるのでありますが、この

雪ではとうてい除雪の手伝いに行こうという話にはなりません。

この冬のような雪が、これから先5年くらいも続きましたら、鉄道も飛行場も

冬季間はまったく役にたたないことになってしまいます。そんなになったら、

当方の住む太平洋岸に飛行場も引っ越してきたらいいのにです。

 広い北海道の比較的狭い範囲におきましても、これだけ気象条件が違うのです

から、自然というのは不思議なことであります。

 そんなわけで当方は、除雪に追われることもなしで日々を過ごしております。

時間があるのだから、もっと本が読めるだろうと、自分につっこみをいれること

になりますが、そうはなっていなくて、これはいかんことです。

 図書館から借りていて、まるで読むことができていないものを、すこしでも

のぞいてみなくてはと、取り出してくることにです。先日に小説を読んだ乗代雄

介さんの本ですが、本の雰囲気(装丁とか、取り上げられている内容など)は

はまりそうなのですが、いまひとつぴたっといかないのは、この本でとりあげ

ている書評の対象に、当方が疎いからでありましょう。

 冒頭におかれているのはサリンジャーへの批評でありまして、サリンジャー

何度も本を買っているというのに、代表的な小説作品でさえ読むことができて

いないのですからね。

 まあわからないところは流して、先に進めることにしようですが、次々にわか

らないのでありますよ。若い書き手ですから、年寄の読者におもねることなく、

我道を行かれたいです。

 この人などは、そのうち新聞書評欄で活躍しそうなのですが、その場合には

もうすこしなじみやすいアプローチの書評をしてくれるのでしょうね。