寒中忙あり

 このところ氷点下の気温が続いておりまして、何日か連続で真冬日を記録

です。この寒さは、日本全国のようで本日に京都で開催されていた高校駅伝

中継をTVで見物していましたが、雪がちらついていて、ひどく寒そうでありま

した。雪が積もらなくてよかったというくらいのお天気であったのかな。

 ということで、本日は寒中忙ありです。もちろん忙中閑ありの文字の入れ替

えでありますが、年末の寒中に、そこそこ忙しいのにTVなどを見ていて、どう

するのかであります。

 本日の午前は、この時期に恒例となっているお餅つくりです。小さな餅つき

機で三臼ついて、白ふたつに草一つ。それをあんとのしにすることになりです。

関西に住んで、餅屋さんとの付き合いがなくなっている家族に送ることになる

のですが、もちろん送料のほうが高額であります。(某通販大手では送料を

無料にして送ってくれるのですが、普通ではありえないことでして、送料無料

というのは、どこかにしわ寄せがいっているのですね。先月かに国内通販大手

が送料無料に踏み出そうとして、取引業者に圧力をかけたと話題になりました

が、普通はこうでありますよね。)

 先日にどこかの新聞書評欄なのかなで見かけたような気がするのですが、そ

の方が、廣松渉さんの論集を話題にしていて、読もうとしても読めないと書いて

いたのか、読んでもわからないと書いていたのかはっきりしないのですが、日本

の哲学者である廣松渉さんの著作は超難解であります。

 年末の片付けをしていましたら、廣松さんの雑文をまとめたものがダンボー

の中からでてきました。ごくごく軽い文章であれば読むことができるのではない

かと思って、25年ほど前に買ってしまい込まれていた一冊です。

 廣松さんが亡くなってからまとめられたものでありまして、このように簡単に

読めそうなものでありましても、巻末の解題、解説がありがたいというのが、

廣松さんの世界でありましょうか。

 本日は小林昌人さんの解説にあった、廣松さんについてのくだりを引用するこ

とにです。

「廣松さんは1933年8月に生まれた。本人は終生『福岡県柳川の生まれ』と

称した。戸籍上は山口県で出生届けが出されているから、死ぬまで嘘をつき通し

たことになる。それがいかにも廣松さんらしい。戸籍などというものは国が国民

を管理するためものもので、本人のアイデンティティとは何の関係もない。

廣松さんのアイデンティティは柳川で育まれた。両親とも福岡人であり、たま

たま父親の赴任中にそこで生まれたというだけである。しかも、山口といえば

明治維新を担った中枢勢力の一つ、長州藩の伝統を引く。廣松さんは薩長が嫌い

だった。」

 廣松さんという思想家の著作で、ちょっとでも読むことができるのは、当方

にとってはこれくらいであるようです。