割を崩す

 「割を崩す」というのは、普段はほとんど耳にしないのですが、大相撲の

本場所の後半にはいったあたりに、その言葉を聞くようになります。

どういうことなのかなと思ったら、相撲の番付がうんと離れていて、普通で

あれば対戦が組まれないのに、下位の力士が好成績ということで、急遽役力士

に当てられたりするようです。 

 そんなんであれば、番付って意味ないないじゃないかですが、番付は前場

の成績で決まりますし、その場所の力関係を反映させる必要もあることからで

す。そうでないと、平幕の下位力士の優勝なんてことが続いたりです。

 ここのところは、その心配はなさそうでありますが、有力力士の多数が休場

となったりすると、誰が優勝するのかわからなくなり、下位力士が勝ちっ放し

で優勝したりもするのですね。それを回避するのが、割を崩すということで、

下位力士を、本来当たらない役力士にあてて、優勝戦線から後退させようとい

うものです。

 その結果として、本来あたるべき上位力士の対戦が消滅してしまいます。

この場所では、大関にあるべき取り組みがなくなってしまったといわれていま

す。大関が弱いからこういうことになるのですが、取り組みを作るほうも大変

であります。

 ということで、本日で大相撲九州場所が終わりまして、明日からはすこし

さびしくなることです。次は1月場所でありますか。

 当方にとって割を崩すというのは、読書予定計画を変更することですね。

図書館から借りている本が何冊かあるのですが、そのなかで読んでいるのは

小説でありまして、これを先に読んでしまおうと思っていたところに、柚木

麻子さんの「らんたん」を購入し、ちょっと期待するところがあるもので、

予定を変更して、これに取り組むことにです。

 「らんたん」は恵泉女学園創立者 河井道さんと、その同行の女性の物

語という触れ込みなのですが、小説は男性が、同行の女性にプロポーズする

というシーンからスタートです。

 シスターフッドといわれているのに、それに男性がからむというのは、どう

いうことなのか、興味を覚えました。このような変化球でスタートさせる

なんて、なかなか柚木さんは策士でありますね。