図書館の新入資料のところをチェックしていて、読みやすそうなものも借り
ることにしました。ほとんどなかを見ることもなしで、借り出したのですが、
その一冊は「印刷・紙もの、工場見学記」でありました。
ブックデザイナーの名久井直子さんが工場を訪問して、それをルポしたもの
ですが、一番最初に置かれているのは「自然の恵みと先人の知恵。100年の
紙づくり、ここに始まる。」とありまして、王子製紙㈱苫小牧工場でありまし
た。これは思いがけないことで。
100年前に建設された工場の成り立ちから書かれておりまして、これは勉強に
なることであります。この工場は当方にも身近な存在であるのですが、どちらか
というと新聞紙生産のイメージが強く、あとは西洋紙というかわら半紙を作って
いるのは知っていましたが、「大人気のアドニスラフ」の生産というのは、この
紙についてまったく知らない当方には新鮮でありました。
気づかないうちに「アドニスラフ」という紙に印刷されたものを手にしている
のでありましょうか。
この工場で作っている新聞紙だけでも100種類以上もあるのだそうで、最初に
おかれた紙のところから、興味津々な見学記です。
ちなみにこのあと見学するのは、インク製造、製版、印刷加工、製本の現場な
どで、和本とか製函の作り手も訪ねています。
函入の本などは、ほんとめったになくなってしまって製函屋さんは、どのよう
して仕事をしているのかと思ったら、CDボックスなどもこうした製函屋さんが
担当しているのだそうです。函入というのは特別感があるというのは、本だけで
なくいろいろな分野のものにいえるのですね。