雪虫の飛ぶ頃になり

 先月末くらいからでしょうか、雪虫がめにつくようになってきました。

なんといっても小さくて一匹くらいとんでいても写真におさめるのも大変

なくらいでありまして、まっことはかない虫であります。

 たしか一昨年かは大量発生して外を歩いていると、雪虫のなかを突き進む

ようなことになったのですが、今年はどうでありましょう。

 雪虫がとびはじめる頃に生まれた子どもがいまして、そんなわけではない

のですが、名前には雪の文字が入っています。当地はまだ雪が降る時期では

ありませんが、雪虫を目にしますと、誕生日を迎える子どものことを思うこ

とになります。

 だいぶん秋深しとなっていまして、今年の紅葉の具合はどうであろうかと

下調べに行くことになりました。美しい紅葉のためには一日の気温差が大き

いほうがよろしいようで、しかも風が強かったり雨が降ったりしないほうが、

美しい紅葉となるようです。こちらの平地では10月20日くらいでありますの

で、山のほうはそろそろ見頃を迎えることになるでしょうか。

 久しぶりに行きつけの本屋に新入荷の本をチェックにいくことになりまし

た。ひょっとして、間違って新潮社からでた堀江敏幸さんの「定形外郵便」

が入ってはいないかと思っていったのであります。

 これがなんと入っていたのですね。当方はだめだろうなと思ってチェック

していたのですが、おおこの本をここに配本したシステムは、当方の存在を

記憶していてくれたようだと喜んで買うことになりです。(たぶん、入って

当たり前のような大きな本屋では買わなかったかもしれませんです。)

 自宅に手にしてみると、どの版元からでても堀江さんの本であります。

 芸術新潮に連載のコラムですが、ひとつずつは3ページに満たない小文で

これであれば、つまみ読みするのも大変ではないことです。

 本日は「背文字のない本」をいうのをのぞいてみることにですが、この

本とは、新潮社からでた内田百閒「日没閉門」のことを話題にしていまし

た。ただし、堀江さんはこの「日没閉門」を旺文社文庫版で親しんだとあ

りました。

 百閒がなくなったのは、この「日没閉門」の奥付に記載の発行日の5日後

とのことです。昭和51年のことで、亡くなってまもなくしてから当方はこの

本を新刊で購入したのだよな。その時25歳くらいでありますからして、いま

よりもずっと好みが渋い人でありました。