公共施設は開館へ

 コロナによる緊急事態による公共施設の閉館は、明日をもって解除となる

とのことです。週末には図書館とかはかなりにぎわうのでありましょう。

ずっと借りっぱなしになっている図書館本は、返却しなくてはいけませんの

であとすこし残っているページを大慌てでめくることになりです。

 この間に借りていたのは二冊なのですが、それがなかなか読み通せずにで

ありました。一冊は、この場でも話題にした「コード・ガールズ」で、USAで

はベストセラーになったとあるのですが、このような本がベストセラーになる

というのは、USAという国はやはりたいしたものであります。

 もちろん戦勝国ということもあるのでしょうが、この時代の日本においては、

この本はどのように迎えられているのか思います。

過去には、USAのシンボル的な建物を購入したりして、USA市民の神経を逆な

でしたジャパンマネーは、現在は同じようなことをチャイナマネーにされてい

て、かりかりと苛立っているのですが。

 「コード・ガールズ」は第二次世界大戦時におけるUSA陸海軍が擁した暗号

解読部隊の活動を、それを下支えした女性たちに焦点をあてて記したものです

が、そのなかには極めて優れた能力を有する女性がいて、それについで無名の

大勢の女性たちがいたことが描かれています。

 彼女たちが取り組んだのは、ドイツや日本という枢軸国の暗号化された通信

文でありまして、それを解くためのきっかけは優れた能力の女性たちが見出し、

それをヒントに人海戦術で解読作業が行われるということがわかります。

 日本の外交官が本国に報告する電文は、それが詳細であればあるほど、敵に

とって有意義というのが、皮肉な話であります。

これに登場する日本の外交官で、一番大きく取り上げられるのは駐ドイツ大使

であった大島浩さんでありまして、その使命に忠実な報告は、すこし無邪気は

感じも受けることです。

「1943年11月、駐独日本大使の大島浩が発信したなかでもアメリカイン

テリジェンス活動にとってもっとも貴重な情報のひとつは、ブルターニュから

ベルギーにいたるフランス北西部沿岸全域でドイツが進めている要塞化につい

て微に入り細にわたり描写した、饒舌でやや興奮気味の文章だった。・・・・

 ナチスの軍隊と演習に感服していたにもかかわらずーあるいはそのためにー

大島は、連合国がナチスを妥当するために必要とする、現地でしか得られない

詳細なインテリジェンスを提供した。」

 なんとも皮肉なことでありまして、もちろん解読されていることを知ってい

たら、そのように報告はしなかったでありましょう。大島大使は、連合国が

意識的に流した偽装通信に誤って反応したドイツ軍の戦略も、母国に報告する

ことになるのでした。(これはノルマンディー上陸作戦に関して)

 日本スゴイという立場の人は、このような本を手にすることはないのでしょ

うが、一方の立場からの話を聞くだけでなく、もう一方からの話を聞くことが

重要であるということを、改めて知ることになる本であります。