暗号解読作業は難解なり

 休館しているのをいいことに借りっぱなしとなっている「コードガールズ」で

あります。クロスワードパズルとかでさえ、苦手なわけですから暗号解読という

話題は、なかなかついていくことができませんです。

 先の大戦における米国の暗号解読班で活躍した女性たちを描くものですが、だい

たい暗号がどのようにして作られているのかもわかっておりません。

今はコンピュータを使っているので、さらに複雑化しているのでしょうが、これは

1930年代くらいの話です。

 この時代に有名な暗号作成装置は「エニグマ」というドイツの企業が開発した

マシンで、これはヒトラーが独占使用するために商業販売(もとは銀行員の使用を

想定して開発)を禁じて、軍事だけで使われたものですが、それについては、次の

ようにありました。

「軍用の暗号機の多くはエニグマと同様に、小型で軽く頑丈で、タイプライターよ

り一回り大きいだけだった。エニグマはとりわけ耐久性が高く、電池を使う携帯

可能の機械である。さまざまな場所に持ち運びができ、戦闘中にも使用できた。

潜水艦の司令室に設置することもできた。そうした場所でエニグマがすることは

ただひとつ、通信文の文字をひとつづつ別の文字に変えることだった。」

 このエニグマというのは有名なものでありまして、いろいろと検索をかけました

らでてくるようですが、日本の暗号機についても、それはありました。

 同じく「コードガールズ」からの引用となります。

「日本の新しい暗号機も、同様に文字を変換する方式だったが、どういうしくみに

なっているのか誰にもわからなかった。ヨーロッパは日本の暗号機に関心を示して

いなかった。模造機や試作品を作ろうとする試みもなかった。」

 ということで、この解読はUSAのチームがすすめていくことになるのですが、

これの解読作業は困難を極めた末に成功することになり、その作業の具体は、読ん

でもあまり理解できないのですが、その結果は、次のように書かれています。

「戦時中の大半において、もっとも優れた情報を連合国に与えてくれたのは日本の

パープル機だった。ヨーロッパ、それもとりわけドイツで、どういうことが考え、

語られているのか、さらには何が購入され、開発、製造されているのかについて

の情報がもたらされた。これはおおむね、ドイツ第三帝国で日本大使を務めてい

た陸軍中将大島浩のおかげである。元軍人の大島はアドルフ・ヒトラーとは昵懇の

間柄で、いろいろな話題について会話を楽しんだ。」

 ここで、ドイツ大使の大島浩さんの名前を目にするとはです。つい先ごろに

NHKTV『ヒトラーに傾倒した男」という番組で、その肉声を聞いたばかりであり

まして、USAは、この人の発信したものから情報を得ていたのでありますか。