本日の読売新聞に

 読売新聞に小沢信男さんが取り上げられているよと連絡がありです。本日は

読書欄の日でもないし、これはどうしたことかと思っておりましたら、新聞を

見てみてよとのことでありました。

 そんなわけで読売朝刊を手にしましたら、文化面に「記者ノート」というこ

とで待田晋哉記者が書いていましたです。

 書き出しのところを引用です。

「江戸や東京の名もなき死者たちの記憶を掘り起こした『東京骨灰紀行』などの

著作を残した小沢信男さんは、一貫して庶民の目線で街を歩き、物を書く人だっ

た。今年3月に93歳で亡くなった作家の単行本未収録のエッセーを集めた『暗

き世に爆ぜ』(みすず書房)が刊行された。」

 このようにありますので、この記事は「暗き世に爆ぜ」を紹介するものという

ことがわかります。当方が勝手に思うに、読売新聞の読書欄では取り上げがなさ

そうなので、それであれば、自分が宣伝をしてしまおうというもののように見え

ます。どちらにしても、小沢さんファンであることが、うかがえる記事となって

いて、とても好感がもてました。

 この記事のなかには、つぎのようなくだりもありました。

「東京育ちの小沢信男さんは、少年時代に戦争を経験した。2017年に取材し

た際は、難しい言い方ではなく自分の言葉で、次第に状況が悪くなった当時の

思い出を語り、社会や権力のあり方を疑っていた。」

 この待田記者さんは、2017年に小沢さんの取材していた方であったか。

 ということで、当方の小沢ファイルにある新聞切り抜きを確認してみることに

です。ありましたです、2017年2月25日読売新聞夕刊の「生老病死の旅路」

というタイトルで、小沢信男さんにインタビューで、それを待田さんが記事にま

とめていました。

 この時は「私のつづりかた」の刊行にあわせてのとりあげであったようです。

これにある待田さんのまとめた小沢さんの発言から引用です。

「東京は大火や災害、空襲などで様々な人が犠牲になったうえに成り立っている

街ですね。歴史の上に今の生活があることを忘れてはいけません。

 希望は探せば、常にあるものですよ。・・人間は死ぬ直前まで、生きたいと思

うもの。希望の方を見て、新しい芽が今ここにあると感じてゆく方が楽しいね。」

 2月取材でしょうから小沢さんは89歳で、このように希望の方を見て、前向き

に生きなくてはと、改めて教えられることであります。

 それにしても歴史修正主義の人たちは、「犠牲の上にある現在」というのをどの

ように理解するのでありましょうぞ。