一周忌であるか(祥月命日)

 小沢信男さんが亡くなったのは、昨年の3月3日午後11時47分とのことです。

体調を崩されて入院となり、入院されてからも「みすず」で連載されていた

「賛々語々」のことを気にされていて、3月3日に入院先にパソコンを届けて

ほしいと連絡があって、それにすこし手をいれたのが午後5時51分とのことで、

その6時間後には亡くなれたとのことです。(ちなみに自宅のiMacには、入院

前に作成された下書きが残っていて、これの日付は3月1日午前11時34分だった

そうです。)

 文字通りの遺稿となりました「賛々語々」の「花吹雪」は不完全ではありま

すものの、自宅iMacに残っていた下書きによって、「みすず」に掲載されたも

のとなります。本当に亡くなるその日まで、現役の文筆家でありました。

 若い頃に結核を患って、ずっとその後遺を抱えていらしたのに、まさかこの

ように実りの多い老後になるとは、ご本人も思っておられなかったのではない

かと思うことです。

 ということで、ほぼ半世紀に近いファンであります当方は、一人静かに小沢

さんの本を手にして追悼することになりです。

 小沢さんの忌の呼び名をどうしようかなと考えるのですが、これは巷児忌と

いうのではどうかと思ってましたが、巷児というのは俳句のときに使っていた

ものですが、小沢さんの句集などのときにも、巷児は使ってはいなかったりで

すから、もうちょっと違ったものがいいのかな。すぐに思いつかないのでは

ありますが。

 長谷川四郎さんの山猫というのは、自らの書名にもなっていて、すんなりな

のですが、小沢さんは自分に関しては、そういう騒がしいのお嫌いなのであり

ました。