あらま気がついたら

 そういえば週末には図書館から借りている本の返却紀元となるのでした。

 今回はまるで成績がよろしくなくて、手にしていないどころか、借りたときに

入れてきた手さげ袋から取り出してもおりませんでした。これはほんといけない

こと、すくなくとも手にとって、パラパラとページをめくり本に風をあててあげ

なくてはです。

 ということで、本日に虫干ししていたのは中央公論新社からでている「百鬼園

先生」となります。 

  講談社、福武からでた先生の全集月報と福武文庫の解説を合わせて一冊とし

たものです。当方が架蔵するのは講談社版全集のみでありまして、ほかでは福武

文庫の何冊かを安価で購入したくらいです。

 したがって、これに収録の文章はほとんど初めて見るものですが、何人かの人

が複数回登場します。あらまたこの人の文章であるかと思っていましたら、巻末

に「執筆者別目次」があって、これがありがたいことです。

 一番多く収録されているのは別格の中村武志さんでありまして、この方だけが

講談社、福武の全集と福武文庫にも書いていました。

この方以外には、すべてに寄稿しているかたはいなくて、目についたのは川村二郎

さんと池内紀さんが各4篇なのですが、どちらもドイツ文学系の方でありまして、

百鬼園先生に親しいものを感じているからでありましょう。

 川村二郎さんは、書くものがなんとなく近づきにくく感じたりしますが、そのな

かでは、百鬼園先生のものは、読み手を緊張させないように思います。