昨日からの展開でありましたら、本日は宇能鴻一郎さんの小説を読むことに
なるはずでありましたが、なかなか思うに任せないことでありまして、このとこ
ろ手にしている高野悦子さんの本に書かれているような話となりました。
「順調だった母が十月三日、突然発熱した。老人の三十八度五分は大変な高熱だ。
三十七度の肺炎で死ぬこともあるから慎重に処置しなければならない。すぐに集
中治療室に入院した母は三日後、前回と同じ大きな個室に移った。」
上の引用したのは1988年のくだりで、この時、高野さんのご母堂は92歳で
あったとのことです。ご母堂は明治生まれの強い女性でありました。
「母はこんなことをよく言った。
『あなたも私のような歳になってごらんなさい。生きているだけでも大変なの
ですよ。長く付き合った体だから、自分のことはよくわかります。』
母にはデータばかりを重視する若い医師のやり方がなじめないようだ。」
当方の母は大正生まれでありまして、高野さんのご母堂のように立派ではあ
りませんが、気力と強い意志(それに運のよさ)で97歳の夏を迎えておりまし
た。
北海道でも涼しいほうと言われる当地でも30度近い日が続きまして、気温の
上昇にあわせるように母の体温はあがり、薬を使って抑えるという日が10日ほ
ども続いていて、薬も効かなくなったところで、休日ではありますが、病院で
みてもらうことになりました。
この時期でありますので発熱というだけで、休日当番医はみてくれず、逆に
コロナ患者を受け入れている中核病院が受け入れてくれることになりました。
検査の結果は、消化器にトラブルでその炎症による熱発ではないかということ
で入院となりです。
母の場合は、本日は39度台まであがっていたということですから、休日で
あっても受け入れしてくれるところがあってラッキーでありました。そういえ
ば、母は運の強い人でありますので、ラッキーなことが重なっても不思議では
ないのであります。