明日は検診なり

 明日は年に一度の検診ということで、これ以降は絶食となりです。

すこし静かに暮らして、明日に備えなくてはいけませんです。どのような

数値がでるでありましょうね。毎年のように中性脂肪とかコレステロール

のところが微妙となりますからして。

 以前は、人間ドックを受けますと、検査から次の検査までに時間が

空いて持参の文庫本などを読んで待ったのですが、このところは、随分と

手際よくて待ち時間が少なくなっています。当方としては待たされても

よろしいのでありますがね。そんなわけで明日はどんな進行になるのか

わからないのですが、何か文庫本だけは持って行こうかと思っています。

 昨年に持参したのは小林信彦さんの「本音を申せば」であったように

思うのですが、今年もそうしようかなと思いながら、なかをチェックです。

このシリーズは、週刊文春に連載のものを一年ごとまとめたものです

が、病院の待合室におかれる率が高い週刊誌に掲載というのは、待ち

時間に読むのにはむいているかな。

 ということで、明日の予習で小林信彦さんの「映画狂乱日記」を手に

することになりです。本の薄さ、文字の大きさ、内容のいずれをとっても

待ち時間に読むにふさわしいものです。このほかの候補は、野坂昭如

さんの「絶筆」と片山杜秀さんの「音楽放浪記」ですが、どちらもちょっと

厚くて重い。

 いま目を通していた「映画狂乱日記」には、野坂さんが亡くなったこと

に言及する回がありです。

「十年ほど前になるか、立てつづけに長い対談をしたことがあり、それか

ら間もなく野坂さんは具合が悪くなった。

 あとは言葉を交わすことはなく、雑誌で短い文章に触れるだけだ。おそ

らく、誰かが書き取りしたのではないか。

 そう思うのは、野坂さんの文章というのは、ウネウネ、クネクネと続き、

当人は怒っているのだが、そこにユーモアが浮びあがる。」

 そうなんですよね。野坂さんの「絶筆」は書かれている内容は野坂さん

のものなのですが、語り口調というか文体が野坂さんのものではないので

ありますよね。これは残念であるけどしょうがない。

映画狂乱日記 本音を申せば12 (文春文庫)

絶筆 (新潮文庫)