新潮「波」が届く

 本日は朝からお天気でした。昨日にもらってきたバラから挿し木をつくって、

それを鉢植えにして、日陰で養生することになりです。これから朝夕に水やり

をしてほぼ二ヶ月後のお楽しみです。本日は4種類7本の挿し木ですが、この

あと、もうすこしやってみるのですが、どのくらい根がでてくれるでしょう。

 作業を終えて家に入ったら、新潮「波」7月号が届いていました。このとこ

ろ楽しみにしている「波」ですが、今月は巻頭に筒井康隆さんの掌編小説がお

かれ、そのすこし後には北村薫さんの「本の小説」というのがありました。

 北村さんのは本についてのお話でありまして、今月の書き出しは「父さん

鵞鳥嬉遊曲集」という短編の紹介からはじまり、この作品が収録された作者の

全集には、この作品の初出が未詳とあるということから、この作品が掲載され

た雑誌に話は転じていきます。

 ちなみにこの作品の作者は、塚本邦雄だそうですが、北村さんは、次のよう

に書きます。

「では、ほかならぬ塚本邦雄を、年の初めの巻頭に置いた雑誌とは何か。

 <未詳>というのはひとつのミステリ。

 と書きましたが、正解は早川書房の『ミステリ・マガジン』。・・・

 この頃の『ミステリ・マガジン」を今、振り返ると、その豪華さに驚きます。

須永朝彦小林信彦の連載があり、読み物としては青木雨彦の『夜間飛行』、

都筑道夫の『黄色い部屋はいかに改装されたか?』、小鷹信光の『パパイラス

の舟』が並ぶ。さらに、翻訳ミステリ時評を瀬戸川猛資が受け持っていたの

です。これでいてメインディッシュは、ずらりと並ぶ海外の作品なのですから、

まさに夢のような雑誌でした。」

 このあとは、以上にあがった方々についてのエピソードが展開されるのです

が、なかで興味深いのは橋本治さんが書いたものを紹介するなかにある「小林

信彦はどうして難解か」という文章に関してでありました。

 これを北村さんは、橋本さんらしい読みの深さと絶賛するのですが、この

文章が収録された河出文庫「デビッド100コラム」は、その昔にかったまま

になっていましたが、この文章だけでも読んでみることにいたしましょう。