図書館から借りている本のほとんどを手にすることもなしで、一部は返却
期限を迎えることになりました。これはいかんであります。すくなくとも前
がきと後がきくらいには目を通さなくてはです。
ということで、この週末にすこしでも読んでやろうと思っていますのは、
芳賀徹さんの「外交官の文章」であります。
図書館で手にして、これの目次を見ましたら外交官でポール・クローデルや
吉田茂についての章があるのがわかりました。特に、クローデルは、ちょっと
前にクローデル研究者であった渡辺守章さんが亡くなったこともあって、これ
を機に、岩波文庫「繻子の靴」をのぞいてみようかなと思っていたので、その
前に予習のつもりでありました。
そんなわけで「外交官の文章」ではポール・クローデルについてのところを
のぞいてみることにしたのですが、ちょっとうまく読めずで苦戦でありました。
何かのタイミングで読めたりしますので、その時をちょっと待つことにです。
その後におかれている「ジョージ・サンソム」については、その夫人である
キャサリン・サンソムさんの話題からスタートして、こちらのほうが短いし
とっつきやすいことです。
キャサリン・サンソムさんは岩波文庫にはいっている「東京で暮す」の著
者でありまして、この芳賀さんの文章を読みますと、この本も是非に読んでみ
たいと思うことです。
その昔に、「東京で暮す」が岩波文庫になったとき「図書」でそれについて
の文章を読んでいるはずですが、そのことはまったく記憶に残っておりません。
上に掲げられている「東京で暮す」のカバー絵について、芳賀さんの書くところ
を引用です。
「この書物にそえられた、詩人西脇順三郎の前夫人マージョリーによる四十二点
の挿画(文庫にも復刻)も、文章とよくひびきあっていてまことにたのしい。
まさに女ロートレックともいうべき軽妙洒脱な筆致で、本書にあふれる『さなが
らアール・デコ・ジャパン風物詩の雰囲気』(牧野陽子評)を、いよいよゆたか
なものにしてくれている。」
この文庫本が刊行となったころには、この時代の日本にはほとんど興味がな
かったのでありますね。それから27年で、当方もそれだけと年齢を重ねたと
いうことでしょうか。