先日の外出先で明治に生まれた女性のことが話題となりました。戦前の
共産党の活動家となって拘束され、そこから家族へと送付された書簡を見せ
てもらえることになったことによります。拘束中に24歳で亡くなったのです
が、その女性が、戦後を生き延びたとすれば、どのような女性になっていた
だろうかと思うことです。その女性は1905年生まれとありますので、佐多稲
子さんの一歳年長となります。
彼女と佐多さんは同じような歩みをしていたようですが、どこかで接点は
なかったのかと思うものの、非合法時代ですからおおっぴらにあったりする
こともなしだったのかな。このへんはすこし気になることであります。
そんなこんなことを思って図書館の棚に前に立ちましたら、次の本が目に
はいりました。
名前だけは見たことのある九津見房子さんについて本であります。この名
前を見たことがあるのは、鶴見俊輔さんのおかげであると思うのですが、どの
ようなことで名前を知るようになったのかなです。
それはさておき、このタイミングでこの本を手にすることができたのもなに
かの縁ですので、これを機にすこしでも読んでみることにしましょう。
目次を見てみましたら、あれこれと興味のある話題がならんでいることです。
それをみながら、佐多さんではなくて、24歳で亡くなった彼女との接点はない
だろうかと思って、ぱらぱらとページをめくっておりましたら、「非合法の
運動へ」という章に、その彼女が登場であります。
一般的にはほとんど知られていない彼女でありますが、昭和3年3月15日の
活動家一斉検挙のリストのなかに、その名前はありました。
なるほど先日に目にした獄中からの書簡は、このような形でつながってくる
のでありましたか。
ほんと不思議な縁でありまする。もうすこしちゃんと目を通すことにいたし
ましょう。