明治の女性たち

 先日の外出先で明治に生まれた女性のことが話題となりました。戦前の

共産党の活動家となって拘束され、そこから家族へと送付された書簡を見せ

てもらえることになったことによります。拘束中に24歳で亡くなったのです

が、その女性が、戦後を生き延びたとすれば、どのような女性になっていた

だろうかと思うことです。その女性は1905年生まれとありますので、佐多稲

子さんの一歳年長となります。

 彼女と佐多さんは同じような歩みをしていたようですが、どこかで接点は

なかったのかと思うものの、非合法時代ですからおおっぴらにあったりする

こともなしだったのかな。このへんはすこし気になることであります。

 そんなこんなことを思って図書館の棚に前に立ちましたら、次の本が目に

はいりました。

九津見房子、声だけを残し

九津見房子、声だけを残し

  • 作者:斎藤 恵子
  • 発売日: 2020/08/18
  • メディア: 単行本
 

  名前だけは見たことのある九津見房子さんについて本であります。この名

前を見たことがあるのは、鶴見俊輔さんのおかげであると思うのですが、どの

ようなことで名前を知るようになったのかなです。

 それはさておき、このタイミングでこの本を手にすることができたのもなに

かの縁ですので、これを機にすこしでも読んでみることにしましょう。

目次を見てみましたら、あれこれと興味のある話題がならんでいることです。

それをみながら、佐多さんではなくて、24歳で亡くなった彼女との接点はない

だろうかと思って、ぱらぱらとページをめくっておりましたら、「非合法の

運動へ」という章に、その彼女が登場であります。

 一般的にはほとんど知られていない彼女でありますが、昭和3年3月15日の

活動家一斉検挙のリストのなかに、その名前はありました。

 なるほど先日に目にした獄中からの書簡は、このような形でつながってくる

のでありましたか。

 ほんと不思議な縁でありまする。もうすこしちゃんと目を通すことにいたし

ましょう。