もうすこし津野海太郎さんを

 昨日に届いた「本の雑誌」4月号「津野海太郎の眼力」は、当方にとって

話題の宝庫でありまして、読んでも、見てもあきないことであります。

いつもより念入りに巻頭のグラビアページの書棚の写真をチェックすることに

なります。写真をスキャンしてからファイルを拡大して見てみましょうかとも

思ったのですが、その前にまずは天眼鏡をとりだして、それを目にあてて本の

背文字が見えるようにしてみました。

 そうかこのようにして本を並べるというのはありかと思いつつみるのですが、

かなり目をこらしてみても、小沢信男さんの著作が目に入ってこなくて、それ

で、あらまどこに隠れているのかと書棚の前後に入っている本の、後ろにおか

れたものの手がかりがないかと探したりです。

ということで、このグラビアページだけで、今月は元をとったような気分にな

りです。

 「本棚が見たい」に添えられた文章には、「一階廊下に飾られた盟友平野

甲賀さんの装丁リトグラフ」があってとあるのですが、そのリトグラフの写真

もグラビアには掲載されていました。

 平野甲賀さんが装丁した本を、別のデザインでリトグラフ作品としたもので、

これはどこかのサイト(古書ほうろうさん)で販売されていたもので、当方も

いっとき購入しようかと思って断念したものでありました。

 このように津野さんのお宅に掲げられているとあるのをみましたら、また当

方もほしくなりましたです。 

津野さんのところにあるという長谷川四郎さんの詩集「原住民の歌」が販売さ

れていたら、当方は思い切ってかったかもしれませんです。

 この詩集に関しては、当方にも思い出に残る本でありまして、これは随分と

昔に話題にしておりました

 「平野甲賀 装丁の本」を見ましたら、平野さんが長谷川四郎さんの本で

最初に装丁をしたのは「原住民の歌」であったのだけど、これが晶文社にも

なくて、この「装丁の本」には収録できず残念であったとありましたので、

当方が二冊もっていたので、その一冊を晶文社におくって、当時配布されて

いなかった小野二郎さん追悼集「大きな顔」と交換してもらったのでありま

す。

 その時に晶文社で担当してくださったのが、今回の「本の雑誌」に津野

さんのことを「編集者にして教育者」という文章を寄せている現在 新潮社

で津野さんを担当されている方でありました。

 それからでも、もう四十年近いのでありますね。古いことだ、古いことだ。

本の雑誌454号2021年4月号

本の雑誌454号2021年4月号

  • 発売日: 2021/03/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)