本日の夕方に外出より戻りましたら、「本の雑誌」4月号が届いておりました。
前からアナウンスがありましたが、4月号の特集は「津野海太郎の眼力」であり
ます。
この号のアナウンスには小沢信男さんの名前がありまして、どのようなもの
を寄稿しているのかと興味津津でありましたが、「私が知っている津野海太郎」
という欄にある小沢信男さんのところを見ましたら、「津野海太郎と新日本文学」
という題で文章を寄せていました。
まさか、このようなタイミングで小沢さんの文章を目にすることになるとは
思いませんでした。津野さんの編集者人生のスタートは小沢信男さんの元であり
ましたから、小沢さんが元気でありましたら、特集には欠くことできないことで
それだけに間に合ってよかったことです。
小沢さんが生前に書いたもので、発表を待っているものがまだありそうな気は
するのですが、それにしても津野海太郎さんにとってもよかったことです。
小沢さんと津野さんといえば、津野さんの「歩くひとりもの」に収録されて
いる「歩く男の死」という文章の書き出しを思い起こすことです。(いつでも取
りだせるところに置いておこうと思いながら、すぐに見つからずで、記憶で書く
ことになります。)
「歩く男の死」というのは、お二人が尊敬する先輩である「長谷川四郎」さん
が亡くなったことを、小沢さんが電話で津野さんに伝えるところからの書き出し
となっています。この書き出しがとっても印象的でありまして、今回の小沢さん
が亡くなったことを津野さんに連絡されたのはどなたなのだろうと思ってしまい
ました。
それはそれとして、今回の「津野海太郎特集」は、「本の雑誌」浜本編集長の
晶文社愛というか高校の先輩である中村勝哉さんへの愛に溢れるものでありまし
て、いい時代の晶文社の精神は「本の雑誌」に引き継がれているということが
よくわかるのでありました。