昨日は祥月命日で、本日は

 本日は阪神淡路大震災から26年であります。当方はその頃、ほとんど関西

に縁がありませんでしたので、遠い世界のことのように思っておりました。

それから数年たって家族が関西へと遊学し、震災から4年たった被災地を目に

することになりました。

 本日の大相撲では、震災の日に淡路島で生まれた力士や地震で被害を受けた

大学を卒業した力士の話が紹介されていました。

あの地震の頃には、それから十数年後にもっと大きな被害をもたらす震災がく

るとは思ってもみなかったことです。

 当方の父が亡くなったのは震災と震災に挟まれた2006年のことでありました。

がんが骨転移して痛みがひどくなり病院に入院したのが11月で、それから二ヶ月

ほどで亡くなりました。

 祥月命日の頃になりますと、その当時によくきいていた音楽のことを思いだし

ます。

 2002年にフォーク・クルセダーズが短期間再結成され、一枚のCDを発表し、

一夜限りのライブ公演を行いました。なにせ伝説のフォークルですから、ずい

ぶんと話題になりましたが、オリジナル・メンバーでははしだのりひこさんが

参加できず、かわりに坂崎幸之助さんがメンバーに加わりました。加藤和彦さん

が坂崎さんを信頼して、北山修さんを口説き落としたということでしょうか。

 その時のアルバムは「戦争と平和」というものでしたが、注目されたのは、

北山さんが新たに書き下ろした詩に加藤さんが曲をつけたものでありました。

 北山さんは、たくさんの作品を残しているのですが、本業に専念するという

ことで、国立大学の教職にあったときはほぼ活動を停止していたようです。

それだけに数十年ぶりでの加藤和彦さんとの共作となりました。

 このなかでも、当方にとって特に印象に残るのは、父が死に向かって生きて

いるということを強く感じていたなかできいた「感謝」という歌であり、

「悲しみは言葉にならない」という歌でした。

 「感謝」は、北山さんが作った「赤い橋」にも通じる内容で、それと曲名の

ギャップに驚いたことでした。

 加藤和彦さんは、次の震災のちょっと前に自死してしまうのですが、北山

さんの詩は、加藤さんのこうした亡くなり方を思いますと、涙なしにはきくこ

とができませんです。


感謝 加藤和彦・坂崎幸之助 2006


「悲しみは言葉にならない」ザ・フォーク・クルセダース