わずかにプラス気温

 何日か真冬日が続きましたが、本日のお昼ころからわずかにプラス気温に

転じて3時間ほどあったかでした。当地は気温は下がってもお天気はよろしで

雪はまったくなくカラカラ天気が続いています。

 北海道でも日本海の影響を受けるところには大雪のところがありまして、雪

のほうが暖かく感じたりもしますけども、除雪作業がたいへんで、寒いのと除

雪はどちらがいやでありますかね。

 本日は外出より戻ってから「図書館」から借りてきた「新潮」6月号に掲載の

金原ひとみ「アンソーシャル ディスタンス」を読んでみることになりです。

新潮 2020年 06 月号 [雑誌]

新潮 2020年 06 月号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/05/07
  • メディア: 雑誌
 

  短編でありますから、読むのはそんなにたいへんでありませんが描かれている

世界はなかなか強烈であることです。

 金原さんは1983年生まれとのことですから、当方の子どもと同じ年格好にあた

りますが、この作品の主人公は1998年生まれくらいの設定ですから、金原さんに

しても二世代近くも年の差があることです。

 当方は孫たちがこのようなキャラになったらどうしようと身につまされながら

読んでおりました。主人公の女性は書き出しでは、次のように描かれています。

「十歳の時、非常階段から何時間も下を眺め、生まれて初めて本気で自殺を考え

る。十三の時、彼氏と喧嘩した挙句初めて手首を切る。リストカットはその以降

数年間に渡り繰り返すことになる。十六の時合法ドラッグにハマって廃人化し

高校を中退。過食と拒食を繰り返しながら大学検定を受け、大学に入学。周囲と

の温度差、明度差にうんざりしながら大学生活を送りつつパパ活に勤しむ。ゼミ

の一年先輩であった幸希と付き合いを始めパパ活を止める。」

 そんな人っているのかなと思いながら、上を見ていましたら、これの部分で

あれば思いあたる人がいたりです。リストカットを繰り返し、過食と拒食で大学

検定したなんて、あるあるですね。パパ活なんていうのは、当方にとってはそん

なの本当にあるのかと思うのですが、二十歳前後の人たちには、自分はやって

いないけど、そういうのをしている人の話を聞いたことがあるということになる

のでしょうね。

 ということで、この主人公とその恋人の二人は、コロナで生活に不都合が広が

るなかで、どのように動いていくかというのが、この小説のテーマなのでありま

しょうか。

 コロナのなか大学を卒業して社会人になろうという男性、大好きなバンドの

ライブハウスでの公演が中止になったことによる落胆など、共感するところも

多くありです。エロチックな描写にも引っ張られてしまいますが、それはそれで

楽しんで、正しい人からはふしだらといわれそうな若い主人公の女性は「キシ

ネンリョ」というものとどう向き合うのかですね。

 エロチックな描写はあるものの、金原さんはまじめな人でありますね。

 これを読んでいて、今年はこれまでのところ多くの人を殺害するという事件が

あまりないのではないかと思いました。相模原とか京アニとか、先日に判決が

でた事件のようなものが、これはコロナ禍と何か関係があるのでしょうかね。