今年の回顧はじまる

 当方が購読している新聞は、夕刊を中心に今年の回顧がはじまっています。

紙面では「回顧2020」となっています。 

 どの分野でありましても、今年はコロナを離れては話が前には進まないよう

であります。そのことは、各分野の記者が書く文章からもうかがえます。

音楽とか舞台ということでは、中止に追い込まれたりして特にその影響が多き

かったですからね。

 文学担当の記者さんでも書き出しからして、こうであります。

「今年読んだ小説から一作を選ぶとするなら、金原ひとみ『アンソーシャル 

ディスタンス』をおいてほかにない。コロナ禍による緊急事態宣言がでていた

5月7日発売の文芸誌『新潮』6月号の巻頭を飾り、いち早い文学からの応答と

して、おそろしいほど現実を見通していた。」

 金原さんの小説は一つか、二つ読んだだけでありまして、それからでも10年ほ

ど経過でありまして、いまだに第一線で活躍というのは、能力が高いということ

でありますね。

 ちなみに10年前の新聞読書欄で金原さんの作品を推していたのは辻原登さんで

ありました。そのまま継続して新作をおっかけていましたら、この記者さんと

同じような感想を抱いたかもしれませんのに。

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新潮 2020年 06 月号 [雑誌]

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  今年らしいといえば、この作品ですか。おくればせですが、読んでみましょ

うかな。

 ちなみに同じ紙面で作家 村山由佳さんは桐野夏生さんの『日没」をあげて

います。この昨品へのコメントに村山さんは「権力の暴走に鈍感であることの

怖しさ・愚かさに呼吸が浅くなる。」と寄せていました。

 そういえば、最近保守系の元代議士かが警察官僚が官房副長官を長く務める

なんてのは、信じられないことだと発言しているのを目にしました。

官房副長官というのは、官僚のトップという位置づけで、戦前であれば内務官

僚が、最近であれば石原信雄なんて人が記憶に残っているところですが、その

時代には警察官僚が官僚のトップになるなんて考えることもできなかったこと

です。

 その保守系の元代議士は、現在の日本は警察国家かといっていたようにも思

うのだけど、ほとんどの人はこれを不思議に思っていないのですね。