ある人物か

 今年はどのような文庫本を購入したのだろうと、手帳に記したリストを

みることになりです。新刊はほとんど購入していなくて、岩波文庫にも講談

社文芸文庫のどちらも新刊には縁がなかったことです。

 そんなことを思いながら、最近に届いた坪内祐三さんの「文庫本千秋楽」を

見ることになりです。

文庫本千秋楽

文庫本千秋楽

  • 作者:坪内祐三
  • 発売日: 2020/11/20
  • メディア: 単行本
 

  この本の後半には「本の雑誌増刊号 おすすめ文庫王国」の「年間文庫番」

21年分が収録されています。(「おすすめ文庫王国」はほとんど見ることもなし

でありました。)

 「年間文庫番」の書き出しには、次のようなものがあります。

「また文庫番の季節が来た。相い変わらず一年が経つのは早い。そして相い変わ

らず今年も何を書いて良いのかよくわからない。」(2006年の文庫番書き出し)

 この年の文庫界の一番の話題は、新訳ブームであったと書いていました。

「冷血」や「ロリータ」の新訳が文庫本になったのが、この年であるとのことで

す。それに光文社古典新訳文庫シリーズが創刊されたのもこの年であるとありま

した。なんとなく勢いを感じる2006年でありますね。

 そんなことで、文庫番のところを流し読みしていましたら、次のくだりを発見

であります。

「 私が『東京人』時代に途中入社して来た加賀山弘のことをあるエッセイで

『K氏』と書いて批判したのを見たある人物がブログでその『K氏』とは北山耕平

 に違いないと書いていたが私は北山氏とまったく面識がない 」

 「ある人物がブログで」とありますが、このブログを始めていくらもたたない

頃に、当方は上に指摘されるようなことを記しまして、きびしい指摘を受けて

訂正をしたことを思いだしました。

「ある人物」というのが、当方のものだとは思いにくいのでありますが、それで

は、ほかのどなたが同じ轍を踏んだのでありましょう。

 長くやっていますと、恥ずかしいことがいろいろとあることです。