今年はどのような文庫本を購入したのだろうと、手帳に記したリストを
みることになりです。新刊はほとんど購入していなくて、岩波文庫にも講談
社文芸文庫のどちらも新刊には縁がなかったことです。
そんなことを思いながら、最近に届いた坪内祐三さんの「文庫本千秋楽」を
見ることになりです。
この本の後半には「本の雑誌増刊号 おすすめ文庫王国」の「年間文庫番」
21年分が収録されています。(「おすすめ文庫王国」はほとんど見ることもなし
でありました。)
「年間文庫番」の書き出しには、次のようなものがあります。
「また文庫番の季節が来た。相い変わらず一年が経つのは早い。そして相い変わ
らず今年も何を書いて良いのかよくわからない。」(2006年の文庫番書き出し)
この年の文庫界の一番の話題は、新訳ブームであったと書いていました。
「冷血」や「ロリータ」の新訳が文庫本になったのが、この年であるとのことで
す。それに光文社古典新訳文庫シリーズが創刊されたのもこの年であるとありま
した。なんとなく勢いを感じる2006年でありますね。
そんなことで、文庫番のところを流し読みしていましたら、次のくだりを発見
であります。
「 私が『東京人』時代に途中入社して来た加賀山弘のことをあるエッセイで
『K氏』と書いて批判したのを見たある人物がブログでその『K氏』とは北山耕平
に違いないと書いていたが私は北山氏とまったく面識がない 」
「ある人物がブログで」とありますが、このブログを始めていくらもたたない
頃に、当方は上に指摘されるようなことを記しまして、きびしい指摘を受けて
訂正をしたことを思いだしました。
「ある人物」というのが、当方のものだとは思いにくいのでありますが、それで
は、ほかのどなたが同じ轍を踏んだのでありましょう。
長くやっていますと、恥ずかしいことがいろいろとあることです。