今日はなんの日

 今朝に起きてから、台所でコーヒーをいれてた時にラジオを聞いていまし

たら、「今日はなんの日」というコーナーをやっていまして、本日が命日と

なる人のことを紹介していました。

 本日に亡くなったのは、次の人でありました。

2009年11月10日≪満96歳没≫ [1913年5月4日〜]森繁 久彌 【俳優】
2012年11月10日≪満92歳没≫ [1920年5月9日〜]森 光子  【女優】
2014年11月10日≪満83歳没≫ [1931年2月16日〜]高倉 健  【俳優】

 これを聞いて驚いたのは、もちろんこの三人皆が文化勲章を受けられてい

ることによってであります。

 勲章一般は日本では官尊民卑でありまして、長いこと叙勲制度自体が部分

停止されていたのですが、1964年に生存者叙勲ということで、復活して現在

にいたってます。

 文化勲章は、これとは性格が違うということで停止されることもなくここ

まで来ています。

 学術、芸術文化にすぐれた業績を残した人を対象にするということで選考

が行われていましたが、芸能では歌舞伎とか舞踊、能など古典分野では受賞者

がありましたが、芝居の分野では1991年に森繁が、1995年には杉村春子(こ

れは辞退)、2000年に山田五十鈴、2005年森光子、2013年に高倉健、2015年

仲代達矢であります。

 ちなみに、この6人の評価された分野ですが、杉村、山田は演劇で、高倉は

映画、それじゃ森繁、森光子はというとくくりは大衆演劇となります。

このジャンルわけというのは、なかなかインパクトがありですよね。いわゆる

新劇というか俳優座、民芸、文学座という劇団は「演劇」で、それ以外は「大衆

演劇」となるのでしょうか。森光子が大衆で、山田五十鈴が演劇というくくりに

なるのはわかったようなわからないようなところがありですが、山田は芸歴が

ながくて映画から大衆演劇まで幅広い活動ですので、このようにしたのでしょう

か。

 それにしても、文化芸術の分野でも大衆に近いところのものは、この賞には

縁遠いようでありまして、小説家でも大衆小説といわれる人はほとんど受ける

ことができなかったのが昭和の時代であったようです。

 森繁久彌大衆演劇というくくりで、文化勲章を与えるというのは、当時とし

ては相当に思い切ったことであったように思います。あんなやつに文化勲章かと

憤慨した受賞者さんもいたように思います。

 そういえば THE Beatlesが英国で勲章を受けたときに憤慨した人がいたと

話題になりましたっけ。

 時代とともに文化勲章の対象となるジャンルも広がっているようですが、これを

最初に受ける漫画家さんというのはどなたになるのでしょう。手塚治虫さんが

生きていらしたら間違いなく受けていたでしょうが、現存の漫画家さんではど

なたが一番近いのでありましょう。