合わせると何ページに

 本日に図書館へと行きましたら、新刊棚のところに小田光雄さんの本が

ならんでいました。

 小田さんがブログで継続されている「古本夜話」を定期的にまとめて刊行

されるのですが、「近代出版史探索」というタイトルで、今回で三冊目とな

りました。

odamitsuo.hatenablog.com

近代出版史探索

近代出版史探索

  • 作者:小田光雄
  • 発売日: 2019/10/25
  • メディア: 単行本
 
近代出版史探索II

近代出版史探索II

  • 作者:小田光雄
  • 発売日: 2020/05/30
  • メディア: 単行本
 
近代出版史探索III

近代出版史探索III

  • 作者:小田光雄
  • 発売日: 2020/07/30
  • メディア: 単行本
 

  一冊に二百話ほど収録しているということですから、三冊で六百話になります

が、現在は「千一夜」をこえていますので、最低でもあと二冊は出せる勘定とな

ります。

 これと同じような趣向で「古本屋散策」というのがでていまして、当方はこち

らのほうがなじみがあって、面白かったのですが、どういうわけか、これは図書

館に入ることがなくて、大書店の店頭で立ち読みをしました。これは鹿島茂さん

が「ドゥマゴ文学賞」に選んでいましたです。

古本屋散策

古本屋散策

  • 作者:小田光雄
  • 発売日: 2019/05/30
  • メディア: 単行本
 

  これまででたもの(「古本屋散策」も含めて)のページ数を合わせると

三千ページに近くなり、積み上げると二十センチにもなりそうです。

好きな人には、おおいに参考になるのですが、かなりマニアックなものに

なり、どのくらいの読者がつくのでしょう。

 「近代出版史探索」には、当方もほとんど知らない世界の話ばっかしで

ありまして、間違ったように比較的新しい人が取り上げられていて、そこに

目が行くことになります。

 本日の話題とする矢川澄子さんのようにです。野溝七生子さんについてを

話題にするなかで、矢川澄子さんの著作に言及するのですが、そのあとで

次のように続いていきます。

「矢川は『野溝七生子というひと』を平成二年に刊行している。・・それは

ひとつのレクイエムであり、かってのアルカディアの喪失、野溝や鎌田の死の

他にも様々な思いがこめられているようにも感じられる。そのことを記すた

めに、もう一編矢川のことを書かなければならない。

 これは私たちの時代の出来事に属するし、戦後編でと考えていたのだが、

三回にわたって矢川澄子の『野溝七生子というひと』に言及し、そこに矢川

自身の『散けし団欒』とその投影をも見たばかりなので、ここで続けて書いて

おくべきだろう。」

 ということで、例外的に戦後の矢川さんのエピソードが紹介されていくこと

になります。もちろん矢川さんのアルカディアの喪失となる話であります。

おにいちゃん―回想の澁澤龍彦