一泊して戻りました

 葬儀を終えて戻ってきました。コロナ下の集まりとなりますので密に

ならないような配慮が施されますが、もともと親戚が少なく、遠方から

の参会者はなくて、ごくごく内輪のものですから、まあ感染の可能性は

少ないか。とはいっても参加者の最年少が60代後半でありますからして、

しばらくは気をつけなくては。

 葬儀会場では、持参した本をすこし開きましたが、ほとんど本を読む

ということにはなりませんでした。せっかくここまで来たら、足をのば

せばちょっと有名な古本屋などもあるのに、これは残念。

 戻ってから新聞朝刊を開くことになりです。本日の広告には中央公論社

の新刊案内がありました。

 目についた中公文庫新刊は、次のものです。

  すぐに取り出せるかなですが、これの元版は朔北社からでたものですね。

オーウェルさんは、紅茶へのこだわりがあって、ミルクと紅茶はどのように

ブレンドするのがいいかなんてことも語られていたように思います。

 しばらくオーウェルの新刊(どのような内容であっても)はなかったよう

に思いますので、これは歓迎でありますね。

それこそオーウェルさんはスカラシップボーイでありまして、奨学金を得て

パブリックスクールへと進学するのですが、そこで違和感を覚えて、大学に

は進まず、ビルマで警察官となります。こうした経歴というのは、エリート

コースからの逸脱でありまして、それがオーウェルの魅力の一つです。

 ということで、本日は「一杯のおいしい紅茶」という小文を読んでみるこ

とにします。これは平凡社のコレクションに収録されていて、それがでてき

ましたので、それをのぞいてみることにです。

ライオンと一角獣 (平凡社ライブラリー)
 

  「一杯のおいしい紅茶」ではオーウェルが「完全な紅茶の入れ方の譲れ

ない十一の項目」というのが列挙されていて、その最後に語られるのは、

次のくだり。

「いよいよ最後になるが、紅茶にはーロシア式でないかぎりー砂糖をいれ

てはいけない。この点は少数派であることくらい、充分承知している。

しかし、せっかくの紅茶に砂糖など入れて風味を損なってしまうようでは、

どうして紅茶好きを自認できよう。それなら、塩や胡椒を入れても同じ

ではないか。紅茶はビール同様、苦いものときまっているのだ。それを

甘くしてしまったのでは、もう紅茶を味わっているのではなく、砂糖を

味わっているにすぎない。いっそ白湯に砂糖をとかして飲めばいいので

ある。」

 紅茶に砂糖はないでしょうと思うのですが、この時代にはどうなので

しょう。日本でありましたら緑茶に砂糖を入れる人は、ほぼいないで

しょうが、紅茶に砂糖を入れてのむ人は、緑茶にも砂糖を入れるので

ありましょうか。

 オーウェルさんは、このあとに「ティーポットの周辺には不可解な

社会的エチケットもあるし(たとえば、なぜ受け皿で紅茶を飲んでは

いけないのか)」と記しているのですが、もちろん、これに触発され

て書いたのは、小野二郎さんでありました。