本日は予算オーバー

 本日は午後から家人をプールへと送りにいき、迎えにいくまでの間で

本屋とブックオフで時間を費やすことになりです。本を増やすことに

厳しい家人も送迎のお駄賃ということで、おめこぼししてもらえること

になりです。

 新刊本屋ではぐっとがまんしてなにも買わずでありました。そのあとに

いったブックオフは、この店がひさしぶりであったこともあり、あれこれ

と目新しいものがあって、ブックオフでの予算ワンコインでは収まらずで

ありました。

 本日は女性の書いた本ばかりを買いましょうと思って物色していたので

ありますが、予算オーバーしたのは男性のものを買ってしまったからであ

ります。男性が書いたものあh,明日にでも触れるとして、本日は大御所

と若手女性の二冊を紹介です。

 まずは大御所のものから。

ト書集

ト書集

 

 はじめて知る出版社でありますが、検索をしましたら岩波を退職した編集

者さんがおこした会社とのことです。今から8年前の出版物ですが、このよう

な本が出ていることは知りませんでした。

 富岡さんの本は安価で見つかりましたら購入するようにしていますが、これ

はエッセイ集で、しかも冒頭におかれた文章は「わたしの土地」というくくり

で大阪についてのものがならんでいます。

 ということで、最初に掲載の文章は、次のようにはじまりです。

「二十年前のアイルランドを旅した時、ダブリンのみやげ物屋で買ったTシャツ

の胸には詩人や作家の顔が並んでいた。・・書店でも、文学書、なかでも詩集

がいい場所に置いてあったので、アイルランドは文学を大事にしているんだな

あ、それともこのひとたちが誇りなのか、など思いつつ買ったTシャツを眺めた

のだった。

 ひるがえって、わがフルサト大阪はどうか。大阪の文芸といえば,『大坂』を

意識するまでもなく近松西鶴の名が最初に出てくる。アイルランドへ行く前に、

たまたまこのひとたちのお墓まいりをしていた。谷町八丁目のガソリンスタンド

とマンションの間の1メートルほどの路地というより隙間を、四、五メートル

入った奥に近松の墓があった。」

 2011年刊行の「大阪文学名作選」(講談社文芸文庫)に寄せた文章の冒頭部

分でありまして、もちろんアイルランドと比較したときに大阪は近松の墓をもっ

と大事にしてもらいたいといっているのであります。

 この状況はたぶん今もかわってないのでありましょう。谷町八丁目というこ

とは当方の「大阪の宿」から歩いてすぐのところでありまして、次回に訪ねた

ときには現在の様子を確認してみようと思ったことです。

「現在までのところ、近松資料館、西鶴文学館のごときものが大阪市内にある

とは聞かない。まして近代文学に関しては推して知るべしというところで、こう

いう、大阪の『つれなさ』を、アイルランド文学Tシャツで思い出したのだった

が、それを大阪に訴えたい気持ちや文句をいいたい気持ちはまったく起きなかっ

た。適当にほったらかしておいてくれる土地柄を、むしろありがたいような気

さえしたのだった。この手の大阪の『つれなさ』は冷淡とはちがって、どこか

含羞とつながっていないだろうか。」

 大阪のおばちゃんというとおせっかいで、すこし暑苦しく感じますが、それ

は富岡さんの思うところの大阪ではなくて、むしろそんなこと仰々しくいわん

でもよろしという人の住む街なのでありましょう。